【兼務で忙しい人へ】仕事を断らないサイバーエージェント専務が実践している「マルチタスクの極意」
「藤田社長の気持ちがわかる」飯塚さんが語る“断らない”メリット
渡辺: ちなみに飯塚さん、「断らない」っていうスタンスで、最大で3社の代表をしてたじゃないですか。 “自分のキャパ”的なことはどう考えてたんですか? 飯塚さん: キャパの限界はもちろんあるんですけど、「受けたあとに考える」で続けてますね。 人に「こういうのやってみない?」って伝えたとき、即答されるのが一番うれしいと思いません? 「一度持ち帰っていいですか」って言われたら、えぇ…ってなる。 渡辺: ですね。ポジティブな気持ちを見せてもらえるとめっちゃうれしいです。 飯塚さん: 正直、僕が仕事の依頼をされたときも、毎回できるイメージは湧いてないんですよ。 でも、考えても解決しない。やってみないと結局わからない。なので全部受けます。 断らない理由でもうひとつ大きいのは、「自分の力を試してみたい」から。 藤田社長が麻雀にハマったのは「1人の実力を試したかったから」って言ってて。めっちゃ気持ち分かるんですよ。新しい仕事に乗り込んだとき、歯が立たないことの方が多くて。 そうすると調子に乗らなくて済むし、すごく人に優しくなれますね。多様性も理解できますし。 渡辺: 仕事をたくさん受けることによってそういうメリットがあるんですね。 飯塚さん: 逆に、唯一断ると決めているのは「何かをやめて、かわりにこれをやってくれ」というもの。追加されるのはいいけど。 渡辺: え、そうなんですか? 入れ替えるかたちのほうが回るのでは? 飯塚さん: 今やってるAと、新しくお願いされるBで、「Aをやめて、B」になる場合、Bのほうが絶対やりたいとか、絶対成功する…って確信できない場合やりたくないじゃないですか。 渡辺: なるほど。そういう考えなんですね。 飯塚さん: あと、単純に“追加”されたほうが、時間を大切にするようになるので、意外と回るんですよ。 「持ち帰る」ということができなくなるので、その場でめっちゃ考えるし。 渡辺: いっぱいいっぱいのとき、逆に新しい仕事を受けたほうが処理能力が上がる、という人は意外と多いのかも。 緊張状態を作ったほうが、効率が上がるのか… 飯塚さん: 人間は、自律的に自分をマネジメントするのが難しいんですよね。 渡辺: 原見ちゃん、今日のアドバイスをもらって、まずは何をやる? 原見: とりあえず、「自分が今どういうことをやっていて、何を得た」という発信は、絶対定期的にやります。 渡辺: さすが飯塚さんという内容でした。やっぱりマルチタスクの専門家だわ。 飯塚さん: マルチタスクの専門家。なんか……ちょっとダサいけどまあいいか(笑)。 ―――――――――― 極限まで効率化を図り、デュアル作業もガンガンこなすという飯塚さん。 「仕事を追加されたほうが、時間を大切にできる」 日々忙殺されてキャパオーバーになりそうになったら、“発想の転換”的に思い出したい言葉かもしれません…! 皆さんも、くれぐれも会議中のデュアル作業は「上司の信頼」を得てからにしつつ、マルチタスクに励みましょう! 〈編集=天野俊吉/鳥山可南子/文=吉河未布〉