東大生が厳選、読むだけで「勉強に役立つ」マンガ 単純に知識を得るだけではない魅力の中身
偏差値35から2浪の末、東大合格をつかんだ西岡壱誠さん。逆転合格を実現した独自の勉強法を著書としてまとめ、シリーズ累計38万部のベストセラーにもなっている。そんな現役東大生で人気作家の西岡さんには、全国の学校や先生からさまざまな悩みや相談が寄せられるという。とくに生徒目線のアドバイスは先生のみならず保護者も参考になると評判で、学習指導のコンサルティングも手がけるほどだ。今回は年末年始のお休み前ということで、読むだけで「勉強に役立つ」マンガ3冊を厳選してもらった。 最近、「勉強になるマンガ」が増えてきたと感じます。マンガといえば、ポップで勉強になる要素なんてなさそうに感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、実はそんなことはありません。 最近のマンガは、考えさせられるものや勉強の役に立つ部分があるものも増えています。東大生の間でも、マンガを読んで感想を言い合ったりすることは多いです。今回は、年末年始の休みを利用して読みたい「勉強に役立つ」マンガを3冊紹介したいと思います。
理系の知識や勉強に向かう姿勢が学べる1冊
1冊目は、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』(フレックスコミックス COMICメテオ)です。タイトルのとおり、理系の大学生が恋という非科学的なものを証明しようと奔走するマンガです。まずはこちらを紹介させてください。 このマンガは、さまざまなところで勉強になります。理系の考え方や問題が出てきて、それをどう証明するか、どのように考えれば解にたどり着くかなどが描かれているので、単純に知識として得るものが多いです。 しかし、何よりも勉強になるのは、勉強に向かう姿勢です。例えば、このマンガでは「この研究は何のために役立つのか」を教授から突っ込まれるシーンがあります。自分がいったい何を勉強していて、どんな物事に自分の勉強が役立つのかを考えていない生徒を教授が叱るのです。 ともすると、僕らもこの問題に陥ってしまいがちですよね。自分の勉強が何に役立っているのか見えずに勉強して、勉強のための勉強になってしまう。 でも勉強ってそういうものではないんですよね。例えば、このマンガにも登場しますが、理数系の勉強をしていると出てくる「巡回セールスマン問題」は、ディズニーランドでどういうコースで行けばいちばん多く乗り物に乗れるのかを考えるのに役に立ちます。ゲーム理論のナッシュ均衡を学べば、文化祭の出し物がかぶらないようにするのに役立ちます。 学問は、卑近な悩みを解消したり、世の中のちょっとした問題に対する解決の糸口をくれるものなのです。 このマンガはタイトルのとおり、「恋」と「理系的な学問」を結び付けるものです。このタイトルに突っ込みを入れる人もいるかもしれませんが、違うんです。学問とはそういうものであっていいんです。それくらい自由に学んだり、研究したりしてもいいものなのに、僕らが勝手にハードルを高く設定してしまっているんですよね。 学問のハードルを下げて、勉強に向かう姿勢を学ぶために、このマンガはぜひ読んでみてもらいたいです。