「収穫を前に葉が溶けてしまう」連日の猛暑で夏野菜に異変…トマトの収穫量は7割減
南海放送
4日連続の熱中症警戒アラートが発表され、各地で30℃を超える厳しい暑さとなった愛媛県内。連日の猛暑に旬を迎えた夏野菜に異変です。 水口気象予報士: 「雲の切れ間から薄日が差す松山市内です。昨日のような強い日差しはありませんが、手元の温度計は34℃を超えていて、ジメっとしたこもった蒸し暑さになっています」 湿った空気の影響で雲が広がった今日の県内。湿度は60%以上と高く、日差しが届いた南予を中心に猛暑日一歩手前まで気温が上がるなど、各地で体にこたえる蒸し暑い1日となりました。 松山市内のスーパーです。暑さに強いスイカや県内産のツルムラサキが好調の一方… 末広マート店長 近藤勝さん: 「急に気温もガッと上がりましたので、葉がとける状態ですね」 小松菜や青ネギなど葉物の野菜は、収穫を前に葉が溶けてしまう状態に。収穫量が減り、価格は通常より1.5倍ほど高い状態だと言います。 暑さの影響はほかにも… 近藤さん: 「どんどん(出荷が)早まっていて、非常に産地リレーがうまくいかない場面が増えたなと。次どこのが出てくるなっていう感じで予定は立てていたが、今はそういう予定が立たない。困ってます」 今店頭に並んでいる野菜は、例年よりも早い時期から前倒しで出荷されているため、端境期に数が減り、値上がりにつながるおそれがあるというのです。 近藤さん: 「極端ですよね天気が。この暑さの影響でもうこういう状態なので人間もどんどん体調悪くなるので、そんな中で野菜も育つの大変だ と思います」
異変は定番の夏野菜にも… 風早山本農園 山本克樹さん: 「桃太郎トマトです」 松山市北条地区の山本克樹さんが、50アールのハウスで栽培しているトマト。 「特別暑いので実が少ない状態。もうちょっといつもなら実がついて赤く、本当に食べごろのトマトがたくさんあるのだが」 山本さんによると、ここ最近の35℃を超える暑さで通常200キロほどあった収穫量が、7割減の60キロ程度にまで落ち込んでいるということです。 「こういう風に(実に)ひびが入る。裂果という。あと色ムラ。光が強いと色にムラが出て、青いところが残ったり」 さらにこの暑さで花が咲いても受粉せず、実をつけることなく地面に落ちてしまうものが増えているのだとか。 「トマトも夏バテ気味です」
松山地方気象台によると、この先1週間も、猛暑が続く見込みの県内。当面はハウスに日差しを遮るシートを張ったり風通しを良くしたりするなどの対応で暑さをしのぐ予定です。 「花が咲いて収穫までは40日から50日なので、秋口、9月。運動会シーズンで一番需要のあるときなので。我々農家にとってはちょっと辛いかなという状況。心配している」