<軽減税率>事業者コストが中小企業に過大な負担?
そして、中小事業者にとって大きな負担になるという事は、結局は消費者個人の生活を脅かす事につながるであろうことも想定できるのです。 というのは、中小企業は日本にある企業の99.7%を占めており、日本で働いている人の62.7%はそこで働いているという事実があるためです。そのため、「事務コストなど大した問題ではない。低所得層の負担軽減が優先だ」などと話を進めてしまうと、中小企業が事務コストを負担することになってしまい、結果として雇用者が受け取る給料に跳ね返ってくる可能性もあるわけです。 低所得者層にとっての負担軽減……といった議論で軽減税率が挙げられることが多いのですが、中小企業の事業主も、そこで働く人たちも生活者であり、消費者であるという事を見落としてはならないと思われます。 そして、税金を支払うためのコストが生活を圧迫するような事が無いようにしなければなりません。このように、難しい問題なので、感情的な議論ではなく、必要な数字をしっかりと示したうえで議論していく必要があると考えられるのです。 (中小企業診断士・岡崎よしひろ)