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「地球最後の日」に使われる軍用機2機が、トランプ大統領の感染判明後に飛び立った理由

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WIRED.jp

ドナルド・トランプ大統領が10月2日(米国時間)の朝、メラニア夫人と共に新型コロナウイルスの検査で陽性の結果が出たことをツイートする数分前のことだ。2機の「ボーイングE-6B マーキュリー」が、公開フライトデータの地図上に現れた。このうち1機は米東海岸沖の進路、もう1機は西海岸沖の進路を示していた。 トランプ大統領の新型コロナウイルス感染症は、いかに治療されるのか? いま考えうる有望な選択肢 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の時代においても、こうした飛行経路の航空機を夜間に目にすることは決して珍しくはない。だが、E-6Bは通常の民間航空機ではない。弾道ミサイルの発射指令を伝えるために使われている航空機なのだ。 トランプ大統領の顧問のホープ・ヒックスが新型コロナウイルスの検査で陽性と診断されたニュースが10月1日に報じられたあと、飛行機の愛好家たちが2機のE-6Bの離陸を確認し、そこにある関係性を導き出した。おそらく、この2機の離陸はトランプが検査で陽性だったことに関連があり、米国の戦略軍はこの微妙な時期に“敵”に対して抑止のメッセージを送るために動いていたのではないか──。 この予想は一気にSNSで拡散し、トランプの検査結果によって予想される影響への当惑と不安を強める結果となった。

ICBMまで制御できる飛行機

E-6Bは非常に興味深い飛行機である。だが実際のところ、米国のミサイル防衛装置の一部として、定期的に離陸・飛行・着陸を繰り返している。E-6Bはいつでもすぐに飛び立てる準備ができている必要がある。要するに、準備万端なのだ。 「この2機の飛行は事前に計画された任務であったことを確認しています」と、米戦略軍メディア運用責任者のカレン・シンガーは、『WIRED』US版の10月2日の取材に答えている。「大統領が陽性を発表したタイミングは、まったくの偶然です」 旅客機「ボーイング707」をベースに改造されたE-6Bは、基本的に米国の大統領と国防長官からの軍事命令を受け取り、その命令を米国の弾道ミサイル潜水艦に伝達するためにつくられた通信中継局だ。空中発射統制システム(ALCS)と呼ばれるプラットフォームを利用することで、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の通称「ミニットマン」をリモート制御する機能も備えている。 地上ベースの通信システムが中断された場合に備えて、E-6Bは冗長性を確保する手段として機能する。また、近接性が必要となるLOS(直線距離での接続)の通信を確立する上でも欠かせない。E-6Bの基本任務はTACAMO(Take Charge And Move Out:任務を遂行して即撤退)として知られている。 「E-6Bは常に離陸しています。E-6Bの離陸に何か深い意味があるなんて考えもしませんでした」と、カリフォルニア州のミドルベリー国際大学院モントレー校東アジア核不拡散プログラムのディレクターであるジェフリー・ルイスは語る。

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