子どもが適性をみつけられるよう親がすべきこと 親が子に先んじて努力しなければいけない
次々画面が切り替わるのに慣れてしまうと、じっくりと本を読んでいるのが退屈に感じられ、本よりもテレビに心を奪われてしまう。また、その刺激的なイメージのせいで、テレビを見たあとで勉強をしようとしても、集中するまでに時間がかかる。こういった理由で、テレビを子どもから遠ざけることは不可欠だった。 テレビよりさらに強力なパソコンから子どもを切り離すのは、まるで戦争のように大変だった。特に三女のヘソンを育てていたときは、姉たちとは違い、パソコンがテレビとは比べ物にならないほどのスピードで子どもの生活を支配しつつあった。
パソコンを長時間使用することは、脳が十分に発達していない幼い子であるほど、致命的影響を受ける可能性がある。ヘソンにもそんな影響が出るかもしれないと思い、どう備えるか頭を悩ませた。 ■世の中に従うのではなく、世の中を従わせる 私の結論は、コンピューターに操作されるより、コンピューターと戦って勝利する子どもを育てようということだった。すでに作られたプログラムを機械のように動かすのでなく、逆にプログラムを作れるような子に育てようというチャレンジ精神だ。
ありがたいことに、ヘソンは3人の子どものなかで、機械いじりが一番好きだった。家に新しい電化製品が来ると、真っ先に説明書を読んで組み立てるような子だった。それを考慮して、コーディングを教えたらいいのではと考え、近所で初のコーディング学習会を作った。 ところが、コーディングを学びたいという子どもは集まったのに、先生がなかなか見つからない。子ども相手にコーディングを教えてくれる塾もなく、個人指導してくれそうな人もいなかった。結局、近所のパソコン教室に手当たり次第に電話し、コーディングを教えてくれる先生がいないかと聞いたところ、何とか先生が見つかった。
こうして子どものコーディング教室が誕生し、翌年にはコンピューター公認資格証まで取得した。当時の試験監督は、こんな幼い子が試験を受けに来たのは初めてだと驚いていた。 今ではコーディングを教える塾や個人教室もずいぶん増えた。このように、母親の一歩先を見る目が、子どもの機会と未来を開くカギになるのだ。 こうしてヘソンは新たな時代に合わせて一歩を踏み出した。科学分野にそこまで興味を示さなかった姉たちとは違い、ヘソンは科学や数学にも興味を示し、さまざまなチャンスを手にした。
コーディングを早くから学んで資格を取ったおかげで、中学3年生の夏には、高校生でも参加が難しいという科学キャンプにも合格して参加した。 このように、母親はわが子が自分の興味や適性を見つけられるよう、絶えず時代の変化に目を向け、情報を収集し、一歩先を読んで子どもを導く努力をする必要がある。
シム・ファルギョン :主婦