新世代ARグラスXREAL One国内発表、6万9980円で予約開始。独自チップX1搭載で単体3DoFなど機能向上、MTP 3msの低遅延を実現
XREAL Japanは12月11日、浜松町で開催されたXR/メタバース関連カンファレンスXR Kaigiにて、次期ARグラス「XREAL One」を国内向けに発表しました。 【この記事の他の写真を見る】 発売は2025年1月17日の予定で、価格は6万9980円。すでに公式サイトで予約が開始されています。 ARグラス、というよりメガネ型ディスプレイと言った方がしっくりとくるXREALですが、最新のXREAL Oneは開発に2年半以上かけたという自社開発の独自チップ「XREAL X1」を搭載。 これにより、単体での3DoFトラッキングや画面の距離調整、設定を分かりやすく確認・変更できるオンスクリーンメニューなどが利用可能になりました。 眼の前に浮かぶ画面の最大サイズも従来より広い視野角50度になり、オーディオも4マイク搭載やSound by Boseチューニングなど全般に進歩しています。 3DoF (3 Degree of Freedom)、三軸自由度とは、ここでは頭を上下左右に振る・傾げる動きのこと。グラスが頭の動きを認識することで、仮想の画面が空間に固定されたように表示したり、表示領域より広いワイド画面を左右に見渡す、あるいは乗り物などが細かく揺れても画面は揺れないといった見せ方ができます。 従来はグラス側の傾きなどのセンサー情報をMCU(マイクロコントローラーユニット)を通じてスマホなどのホストデバイスのCPUに送信し、そこからホストのGPUで映像を調整してからグラスに送る処理が行われており、遅延の要因になっていました。 XREALによれば、一般的なARグラスの表示遅延(頭を動かしてから画像に反映されるまでの時間)は15ms~20ms程度。 これに対して、X1チップを搭載したXREAL Oneの表示遅延は3msと非常に短くなっています。これはセンサー情報などをX1チップで処理できるためです。この超低遅延により、頭の動きに画面が追従しないことも原因の1つとなっている3D酔いなども軽減でき、快適な視聴ができるとのこと。 光学系周りでは、視野角(FOV)が従来の46度から50度に拡大。全モードで90Hzのリフレッシュレートに対応。画面輝度も600ニトと明るくなっています。また、世界唯一、TÜV Rheinland Eye Comfort ( 5 つ星) 認証を取得したARグラスだとアピールしています。 XREAL Air 2 ProやXREAL Air 2 Ultraが搭載していた3段階の電子調光機能も備えています。 また、XREALでは初めて、OSDメニューを搭載します。32:9のウルトラワイドスクリーンへの切り替えや視界の隅に小さな画面を表示するサイドビューへの切り替えなどが行えます。ソフトウェア的に対応とはなりますが、IPD(瞳孔間距離)の調整もOSDから行えるようになりました。 音響面ではBoseと提携し、共同でチューニングしたサウンドシステムを搭載します。これまでよりも音質がクリアで、立体的な音響が楽しめるとのことです。 ちなみに、前面フレームは取り外しが可能。今後、交換用のカラーバリエーションなども検討しているとのこと。 価格は6万9980円と、XREAL Air 2 Proから1万円アップに留まりました。別途BeamやBeam Proなどのデバイスを用意しなくても3DoFが使えると考えると許容範囲でしょうか。ただし、XREAL Oneにはインサートレンズが付属しておらず、別途購入が必要です(1499円)。 最後に補足。国内ではXREAL Oneのみが発表されましたが、海外では上位モデルとなるXREAL One Proが発表済みです。発売は2025年3月以降の予定。 視野角が57度に拡大し、画面の明るさも700ニトになったほか、アドオンとしてXREAL Eyeというカメラを搭載でき、写真撮影や動画撮影が行えるとのこと。また、IPDの違いで2つのモデルで展開されます。 XREAL One Proも、来年あたりに日本で発表されると期待したいところです。
TechnoEdge 山本竜也