総務省をかたり「電話料金が支払われていない」…自動音声ガイダンス電話の巧妙すぎる詐欺手口
このところ、新たな手口も出ています。 愛知県に住む70代女性は、総務省をかたる「携帯電話が使用できなくなる」という音声ガイダンスの電話をきっかけに、詐欺被害に遭っています。 電話に出た偽の警察官から「あなたの銀行口座や携帯電話が犯罪に使われている」と言われた後に、LINEを通じて、本人の名前が載った「逮捕状」を見せられます。 そして詐欺にお金が流れていないかを調べるためということを口実に、時価で1700万円以上という金塊を貴金属販売店で購入させます。それを偽の警察官の指示通りに、玄関先に置いておくと、それが持ち去られたといいます。
■警戒心の薄いところを突く手口 現金ではなく、金塊にして持ち去っています。なぜかといえば、詐欺というのは、警戒心の薄いところを突いてくる傾向があるからです。 現在、銀行などでは多額のお金を引き出す行動に対して、警戒が強まっています。銀行側も詐欺を疑い、お金の使用目的を聞くと思います。しかし「金塊を買う」となると、通常の商取引になりますので、銀行側も詐欺への警戒が緩くなってしまうわけです。 さらに貴金属販売店でも、まさか自分のところに詐欺に巻き込まれた人がやってくるとは思いませんので、簡単に金塊を販売することになります。まさに盲点を突いたような犯行と言えます。
だまし方も、LINEで偽の「逮捕状」を見せるなど、巧妙です。今回は、ビデオ通話を使っていたといいます。詐欺グループとしては、相手の顔を見ながら話せるので、本当に詐欺の話を信じ込んでいるのかをその表情で確認しながら、話を進めることができます。 もしこうした行為の途中で詐欺だと気づき、被害に遭わなかったとしても、安心はできません。一人暮らしの状況や、家にお金を置いているなどの情報が知られていれば、強盗のターゲットになる恐れがあるからです。いかに犯罪の予兆電話に応じないかが、大事になります。