「私はアスリートである前に黒人女性です」 大坂なおみ選手が黒人銃撃事件に抗議、試合をボイコット
テニスの大坂なおみ選手が、8月27日(現地時間)に予定していたウエスタン・アンド・サザン・オープン準決勝への出場を辞退する意向を、Twitterで発表した。米ウィスコンシン州ケノーシャで8月23日、黒人男性が警察官に7発銃撃された事件に抗議し、「私はアスリートである前に黒人女性です。今は私がテニスをする様子を観るよりも、重要なことがあると思います」と日本語と英語で訴えた。また、「(自分が出場しないことで)白人が多数を占めるスポーツで会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思う」とコメントした。【BuzzFeed Japan/伊吹 早織】
背後から7発、歩行は不能か
黒人男性のジョージ・フロイドさん(46)が警察官に首を押さえつけられ、死亡した事件から3カ月あまり。世界各地で「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」と訴える運動が高まりを見せる中、ケノーシャでの事件は起きた。 CNNによると、銃撃されたのはジェイコブ・ブレークさん(29)。ケノーシャ市内の住宅街で、警察官に背後から7回銃撃されて重傷を負った。 ブレークさんの家族らの弁護士によると、ブレークさんは脊髄などに損傷があり、再び歩けるようになることは極めて難しいとみられる。 現地では連日、激しい抗議活動が続いていたが、25日深夜にはデモ中に銃撃事件が発生。CNNなどによると、2人が死亡、1人が負傷し、17歳の少年が殺人容疑で逮捕された。
「アスリートである前に黒人女性」
大坂選手はこれまでもSNSで「Black Lives Matter」への連帯を示し、繰り返される事件に、抗議の意志を示してきた。8月27日にTwitterに投稿した文章は以下の通り。原文ママ) 《Hello, as many of you are aware I was scheduled to play my semifinals match tomorrow. However, before I am a athlete, I am a black woman. And as a black woman I feel as though there are much more important matters at hand that need immediate attention, rather than watching me play tennis. I don’t expect anything drastic to happen with me not playing, but if I can get a conversation started in a majority white sport I consider that a step in the right direction. Watching the continued genocide of Black people at the hand of the police is honestly making me sick to my stomach. I’m exhausted of having a new hashtag pop up every few days and I’m extremely tired of having this same conversation over and over again. When will it ever be enough?》 《こんにちは、皆さんの多くが知っているように、私は明日の準決勝の試合をする予定でした。 しかし、私はアスリートになる前に黒人女性です。また、黒人女性としては、テニスをしているのを見るよりも、すぐに気をつけなければならない重要な事柄があるように感じます。 私がプレーしていないときに何かが起こるとは思いませんが、大多数の白人スポーツの中で、会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思います。 警察の手で黒人の虐殺が続いているのを見守る。いうまでもないことですが、黒人に起こった権利剥奪、全身性人種差別、そのほかの数え切れないほどの怪物は、私の胃を病気にさせます。 数日おきに、新しいハッシュタグが表示されるのに疲れて、何度も何度も同じ会話をするのに非常に疲れています。いつ十分になるのでしょうか?》 声明の最後には、ジェイコブ・ブレークさんをはじめ、これまで警察による暴力で被害を受けた黒人たち、ブリアンナ・テイラーさん、イライジャ・マクレインさん、ジョージ・フロイドさんの名前が記されていた。