グウィネス・パルトロウの「Goop」が経営の危機? 一世を風靡したブランドに何が起きているのか
ファッションとビューティで行き詰まり
さらにバッド・ニュースとして挙げられるのが、ロンドンのノッティングヒルに2019年にオープンした「Goop」ストアの閉店だ。グウィネスが提唱するカリフォルニア的なヘルス・アドバイスがロンドンっ子には受けなかったのか、約200万ドル(約3億1300万円)の損失を出しての撤退だったと伝えられる。また「Goop」のフード部門は好調だが、ファッションとビューティー部門は苦戦しているという。 昨年、ユタ州のスキー場でグウィネスが巻き込まれた事故に関する裁判で、彼女自身が同ブランドのファッションを身につけて法廷に現れた。着用したアイテムは、ある程度認知されたものの、売り上げアップにはつながらなかったもよう。
スキンケアラインも…
そこで、「Goop」はスキンケアラインを立ち上げたのだが、ターゲットやAmazonで販売したのが裏目に出た形となっている。このラインはコスト・パフォーマンスを重視するZ世代をターゲットにしたもののようだが、セレブ・ライフに憧れて「Goop」商品を購入していた人や「いつかは購入したい」と願っていた人にとって、このリブランディングが失望しか産まなかったのは容易に想像できる。
FENTY BEAUTY や RARE BEAUTY の快進撃!
さらにセレブ・ブランドのビューティ部門は現在、リアーナが率いる「フェンティ・ビューティ」とセレーナ・ゴメスが率いる「レア・ビューティ」が先頭を走っている。特にリアーナの「フェンティ・ビューティ」は、多様性を重視したラインナップを誇り、多種多様な肌の男女を魅了している。さらにLGBTQ +な人々の支持や人権問題、環境問題にもコミットしており、購買層に商品以上の満足感を与えるブランドとなっている。一方、セレーナの「レア・ビューティ」はメイクアップを「あなたをレアにするもの」と捉え、人と違うものを称えるためのツールと推奨。年齢や性別、セクシュアリティや人種、身体的・精神的能力を超えてメンタル・ヘルスをサポートする“安全で歓迎される空間”を美容業界に作り出すことを目指している。
以前はセレブ・ブランディングの先頭を走っていた「Goop」だが、世代交代が進む今やその座はリアーナとセレーナ・ゴメスのもの。グウィネスのブランドが生き残るとしたら、大手企業の傘下に入るしかないかも。