グウィネス・パルトロウの「Goop」が経営の危機? 一世を風靡したブランドに何が起きているのか
セレブな「ギフト・リスト」も
セレブ・パワーの証明ではないが、クリスマス時期に同サイトが発表する「ギフト・リスト」は、トーク番組のジョークのネタになっているほど。昨年は13万ドル(約2034万円)のダイヤモンド・ネックレスがリストのトップに来ており、今年は4000ドル(約63万円)の銅鑼や4000ドル(約63万円)の赤外線室内サウナ、2000ドル(約31万円)の折り畳めるカヤックなどがリスト入り。高額な上「それ、本当に必要?」と思われる品々が並ぶが、とんでもなく高額な商品から売れていくという評判だった。グウィネスのセレブ・パワーもあってどんどん成長した「Goop」の価値は、「ニューヨーク・タイムズ」紙の2018年の報道によると2億5000万ドル(約391億円)まで上昇。ここ数年、拡大化しているウエルネス産業を牽引するブランドの一つだったと言えるだろう。
スピリチュアルからサイエンスへ、足踏み状態が続く
しかし、全体の売上は2021年以降頭打ちになっているという。パンデミック後、ウエルネス・ビジネスのトレンドは、“長寿”にシフトしているという。そしてZ世代を中心とする多くの人々がスピリチュアルなものや信念ではなく、科学的エビデンスやデータを重視するようになっているため、「Goop」にとっては逆風が吹いているようだ。
グウィネス自身もこの現実には気づいているようで、最近のフォーブス・サミットで「私たちは多くのことを経験してきました。ある年は成長率が2倍になったけれど、横ばいの年もありました」と正直に話している。また11月上旬のBusiness Insiderによると、「Goop」がわずか2ヶ月でレイオフを実施したとのこと。しかも従業員の減少はこれが初めてではなく、パンデミックから2021年の2年間に合計140人の従業員が同社を去ったという。問題点として挙げられているのは、給与の低さやリーダーシップの欠如、上層部のえこひいきなどだ。グウィネスに憧れて入社したけれど、彼女に認められるまでには長い道のりがあるのだろう。