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新国立競技場はなぜ「木」のスタジアムなのか 建築家・隈研吾氏が語る理由

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みんなの2020

2019年11月30日の完成を目指し、建設が進んでいる「新国立競技場」。「杜(もり)のスタジアム」と題し、木材と鉄骨を組み合わせた構造の屋根や庇(ひさし)によって、明治神宮外苑とも調和するデザインを採用している。 なぜ、スタジアムで「木」を用いた建築なのか。 「大きな建物はコンクリートで造るという20世紀の常識を壊したい」と、設計に携わった隈研吾氏は語る。 競技場の建設にとどまらず、明治神宮外苑、そして東京の街の未来にまで話は及んだ――。

新国立競技場を「木」のスタジアムとした理由

――現在、新国立競技場の建設はどれぐらい進んでいるのでしょうか? 隈 半分を超えたぐらいですね。一番ドキドキしていたのが、今回使用するスギの木材はわずかに白い染色を施していて、それが明治神宮外苑の緑、全体の風景の中でどうマッチするのかということ。その木のテクスチャーが見えてきたときに、もう大丈夫だと安心しました。

――新国立競技場の設計にあたって「木」のスタジアムとしたのはどういう理由だったのでしょうか? 隈 大きな建物はコンクリートや鉄で造って、小さい住宅などは木で造る、というのが20世紀の常識でした。僕はその常識を壊したいと思っています。今回のプロジェクトの一番の目的は、大きな建物も木を使うことができるし、もっと人間のための空間として取り戻すことができると見せることだったんです。新国立競技場は、巨大な集成材を使って建てる大型木造ではなく、日本の住宅でも使われている10.5cm幅の小さな木材を使っています。日常的に使われていてどこでも手に入る材料でも大きな建物を造ることができる。それはただ技術的な可能性を見せるだけじゃなくて、今後の社会の在り方に対する一つのヒントになると思っています。 ――特別なものではなくて、どこの工場でも生産できる木材で造るというところに隈さんのこだわりがあるんですね。これまでいろんなスタジアムを見てきたと思いますが、何か感じたことはありましたか? 隈 どこのスタジアムも、街から見える外側のことが考えられていないと感じます。コンクリートの骨組みで殺風景のまま放置されてしまっている。だから新国立競技場では、木という素材の持つ温もりや優しさを感じられるようにしたいなと考えました。 街づくりは自分と関係ない、専門家がやるものと考えている人が多いのではないかと感じますが、やっぱり僕らすべての人が街に対する責任を持っている。例えば何か新しい建物を造ったり、何かのプロジェクトをやったりすれば、街は絶対に変わるわけです。これからの時代、そういうことをみんなが意識して、街の中に住んでいかなきゃいけないと思っているんですよね。

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