家計管理のために家計簿をつけています。株や投資信託などの金融資産も情報をまとめたいと考えているのですが、金融資産を簡単に管理する方法はありますか?
金融資産管理のサンプル表
図表1
図表1で記載されているのは、以下の金融資産の移動です。 1)A銀行定期預金からBネット銀行外貨預金へ100万円を振り替えた。 2)C証券のA不動産投資法人のREITを売却してZ自動車株を買い増した。 3)A銀行普通預金から家計費30万円を引き出した。 複数の金融機関の資産が一目で把握できるうえ、時系列での残高の動きが確認しやすいでしょう。
金融資産管理表のポイント
次に、具体的にどのように金融資産管理を表にしていくかについて、ポイントを説明します。 1)金融機関別にリストする エクセルで表を作成する際、スマホまたはパソコンから元データを転記することができるので、金融機関別に項目を作って作表するのがよいでしょう。 2)金融資産別に分類する 金融機関ごとの資産は、以下の項目に分類して記載します。 預金:普通預金・定期預金・外貨預金 株式:個別銘柄別 投資信託:ファンドごと 債券:債券銘柄(内外公債、内外社債) 3)横軸(行)に年月を取って、時系列に残高の推移が見える形にする 左上から右に年月を設定して時系列の表を作ります。例では2023年12月がスタートとなっていますが、管理を始めた時期からで大丈夫です。 4)1ヶ月に3セル(3枠)を使用する 左から振替枠、損益枠、月末残高枠を作り、前月残→振替枠→損益枠→月末残高と記入していきます。 「振替」は、銘柄の入れ替え(預金から投資信託へ、A株からB株へ、家計への支出受入)などの資金移動が発生した際に使用する欄になります。「損益」は、値上がりや値下がり(含み益・含み損)や分配金などの受け取り、再投資の際に記入する欄です。 5)毎月末に1ヶ月を振り返ることがポイント 資産運用は下がったときは見たくないことが多いものですが、毎月結果を見て振り返ることが、運用の成功のポイントです。 6)時系列表の「振替」「損益」欄のセルを非表示にするか、振替や損益欄のないシートを別途作成すると、時系列を見る場合はシンプルで見やすい表となります。 7)リスク資産(株・投資信託・債券・外貨預金)とノーリスク資産(預金・保険・国債・MRF)を分類して、比率を半年に一度程度確認してリバランスをすることも大切です。
まとめ
金融資産管理のツールは、家計簿アプリや金融機関ごとの帳票などさまざまな形で提供されています。そのような提供データを上手に活用すれば、手間はかかりません。 しかし、少し手間をかけて自分だけの金融資産管理票を作ってみると、確認がしやすいというメリットのほか、作成の過程で気付きがあったり、手間以上の成果が得られたりすることもあります。エクセルなどで簡単に作成することができるので、ぜひ自分なりの金融資産管理票を作ってみてください。 執筆者:植田英三郎 ファイナンシャルプランナー CFP
ファイナンシャルフィールド編集部