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ボルトが走り、カズが舞う 新聖地誕生 歓声の国立競技場 紆余曲折…完成までの軌跡

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 2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場で21日、一般向けで初めてのお披露目となるオープニングイベントが催された。ウサイン・ボルトさんや人気グループ「嵐」など各界のスターが登場し、新しい〝聖地〟の誕生に花を添えたが、当初案の白紙撤回などここまで道のりは平たんではなかった。旧国立競技場の解体から完成まで〝破壊と創造〟の軌跡を振り返る。  旧国立競技場は、太平洋戦争中に「出陣学徒壮行会」が開かれたことで知られる明治神宮外苑競技場(1924年完成)を建て替え、58年に完成した。その後拡張され、64年五輪の舞台となった。  国立競技場再建計画の当初案デザインは、世界的な建築家ザハ・ハディド氏が手掛けた。しかし、一時約3千億円超との試算も出た巨額の総工費に批判が噴出し、2015年7月に安倍晋三首相が白紙撤回を表明した。  その後、総工費の上限を1550億円と定めた上で業者を公募。15年12月に建築家の隈研吾氏が携わったデザインを採用することが決定した。翌年の12月には起工式が行われ、旧計画から約1年2カ月遅れで本体工事が始まった。

 工事期間中には〝負の側面〟もあらわになった。競技場の建設工事に従事していた建設会社の男性社員が17年3月に自殺。同10月には長時間労働のために精神障害を発症したことが原因として労災認定された。また、厚生労働省が男性の自殺を受けて工事に関わる約760社を調べた結果、37社で違法な長時間労働が判明した。  紆余曲折を経て急ピッチで進められた建設は11月末、36カ月の工期を終えて遂にゴールにたどり着く。新しく生まれ変わった競技場のコンセプトは「杜(もり)のスタジアム」。スタンドをぐるりと覆う巨大屋根には国産木材を使用し、外観は日本の伝統建築の技法「軒びさし」を取り入れ、縦格子には47都道府県の木材を使った。緑豊かな神宮外苑の景観に配慮して高さは約47メートルに抑えた。整備費は1569億円だった。  21日のオープニングイベントには満員となる約6万人が来場。陸上男子100メートル、200メートルの世界記録を持つボルトさんや、リオデジャネイロ五輪400メートルリレー銀メダルの桐生祥秀選手らがリレー形式で競ったり、サッカーの元日本代表FW三浦知良選手(横浜FC)が天然芝のピッチでドリブルを披露したりして大歓声を浴びていた。さらに「嵐」と「DREAMS COME TRUE」も出演するなど、盛大なこけら落としとなった。

 今後は、来年元旦に初のスポーツイベントとしてサッカー天皇杯全日本選手権決勝が行われ、1月11日にはラグビーの全国大学選手権決勝が開かれる。また5月15、16日に「嵐」が単独アーティストでは初のコンサート。そして、夏の東京五輪・パラリンピックへと続いていく。つち音響く〝工事現場〟から、歓声のこだまする夢舞台へ―。そんな光景の広がる日々がもう間もなくやってくる。(構成、共同通信=松森好巨) 【タイムプラス動画】国立競技場完成までの36カ月=16年10月~19年11月の13時台に撮影(https://www.youtube.com/watch?v=2pmGDLZc7dg)

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