相続税の申告時期もうすぐ。素人判断は危険要素がいっぱい
相続税などの納税の時期が近づいてきました。相続税の申告は、所得税や法人税と違い、一生に何度も経験するものではありません。 そのため中途半端な知識で、都合よく解釈し行動すると、税務署のチェックで思わぬ間違いを指摘され、追加納税をすることになりかねません。コロナ禍であっても、相続税に対しては税務署は容赦ないと考え、素人判断をするのではなく専門家に知恵を借りることが大切です。
相続財産額を勝手に判断しない
相続税は相続財産の額に応じて課税されますが、相続財産が控除額以下だと、課税されず申告の必要もない税金です。相続税の控除額(納税義務のない金額)は、下記のとおりです。 ■5000万円+相続人数×1000万円 相続人が1人であっても、相続額6000万円以下であれば、非課税でした。ところが2015年以降は、下記のように変更になり、相続人が1人の場合は、3600万円を超えると納税対象になりました。 ■3000万円+相続人数×600万円 このことを知らずに以前の基準を前提に、相続人2人で財産総額が5000万円程度なので「申告しないで大丈夫!」と、勝手に判断してはいけません。また都会に住んでいる人が、自宅の土地は広くないし、40年ほど前に買った価格で評価し、大した金額にはならないと思い込み、申告せずにいると税務署から厳しい指摘を受けます。 税務署は、相続税の控除額が減額されたことで、所得税などよりも詳しく調査をしています。納税者数も所得税などに比べ少ない、控除額の引下げで納税者が増えている、などの条件もあり、亡くなった人が所有する土地の評価額はもちろん、金融資産額についても、税務署はかなり把握しているはずです。 もし、相続財産が少ないと思い込み無申告でも大丈夫とたかをくくっていると、税務調査の対象となり、加算税を含め思わぬ税額を課せられます。素人判断は危険ですので、まず専門家に相談することをお勧めします。