『FLASH THE FIRST TAKE』11月度出演アーティストまとめ【リアクション ザ ブッタ/KANA-BOON/Aile The Shota /yutori】
『THE FIRST TAKE』の新企画としてスタートした『FLASH THE FIRST TAKE』。60秒という短い時間での一発撮りパフォーマンスに挑戦。アーティストが表現する一瞬、一瞬をダイレクトに感じとれるコンテンツになっている。 ここでは、11月に公開された動画をまとめて紹介する。 【動画】リアクション ザ ブッタ - ドラマのあとで - retake / FLASH THE FIRST TAKE ■リアクション ザ ブッタ 3人組ロックバンド、リアクション ザ ブッタのベースボーカル佐々木直人が披露したのが、「ドラマのあとで - retake 」と「Inside you」の2曲。“爽やか”“清涼感のある”といった表現がぴったりの佐々木の歌声は、Jポップシーンが長年培ってきた王道ラブソングの系譜を継ぐものだ。TikTokで“共感できすぎる歌詞”としてバズった「ドラマのあとで - retake」の感情のこもったパフォーマンス、タイをはじめ世界中で大ヒットとなったドラマ『Love in the air』の日本版主題歌「Inside you」で聴かせてくれる鮮やかなフェイクなど、どちらの動画にもこのバンドの魅力が凝縮されている。60秒の緊張感とそこから解き放たれた際に垣間見えるアーティストの素の姿が『FLASH THE FIRST TAKE』の魅力のひとつだが、「Inside you」のラストで佐々木の見せるハニカミもまさにそんな瞬間である。 ■KANA-BOON 2010年代前半のロックバンドシーンを席巻したKANA-BOONも今ではすっかりベテランバンドの域に突入しつつあるが、2人体制で再始動しての『FLASH THE FIRST TAKE』ではいい意味でそんなキャリアを感じさせないフレッシュさを漂わせるパフォーマンスを見せてくれた。ノイジーなサウンドからサビで視界の開ける感じが爽快な「ソングオブザデッド」ではマーシー(遠藤昌巳)がゾンビメイクでガヤコーラスをかまし、ここで初披露となった新曲「ばけもの」ではストレートなギターロックに乗る谷口鮪の伸びやかな歌声が心地よい。「最近また歌い方が変わったので、そんなところも聴いてみてください」とは鮪の弁だが、ボーカルが雑になりがちなロックバンドも多いなか、正確な音程を着実に掴んでいくような彼の歌の気持ちよさは唯一無二だろう。キャッチーなメロディも相まって、バンドサウンドのなかでも歌の表情の際立つ仕上がりが印象的だ。 ■Aile The Shota BE:FIRSTを輩出したオーディション『THE FIRST』からSKY-HI率いるBMSGとの契約を勝ち取り、今では洗練されたポップソングを届けるソロアーティストとしてシーンにおける存在感を確立しているAile The Shota。彼が今回披露したのは、ギターのカッティングと鍵盤の組み合わせが気持ちよい切なげなラブソング「さよならシティライト」と、タイトルの通りダンサブルなサウンドを響かせる「踊りませんか?」の2曲。ともにシティポップテイストのおしゃれな雰囲気を漂わせつつも、どこか歌謡曲的な湿り気を感じさせる作りになっているところに、“わかる人にはわかる”ではなくて“広く自分の音楽を届けたい”というAile The Shotaのアーティスト性を読み取ることができる。「踊りませんか?」の冒頭に挿入されたこの企画向けとなるアカペラパートも、楽曲のエモーショナルさをさらに際立たせている。 ■yutori YouTube動画でありながらライブとしての要素の強い『FLASH THE FIRST TAKE』の面白さが特に目立つのがyutoriの「安眠剤」。歌い出してからしばらくしてボーカルの佐藤古都子が歌詞を飛ばしてしまうが、そのままパフォーマンスは続行。そしてそのときの様子自体が、この企画ならではの魅力として成立している。そこから持ち直してすぐさま楽曲の世界観に入り直した佐藤もさすがである。先に公開された「ワンルーム」も含めて、声色や表情を駆使して楽曲の力を最大化する佐藤のボーカリストとしてのパワーが存分に引き出された動画となっている。随所に繰り出される獣のような鋭い目線は、バンドのことを知らない人でも思わず引き込まれるだろう。加えて、ギターロックバンドの必須要素でもある疾走感がそれぞれの楽曲から溢れており、バンドとしての地肩の強さを感じさせる。 TEXT BY レジー
THE FIRST TIMES編集部