三日坊主にならず習慣にするには? ランニングが長続きするための12の考え方
ランニングは、運動不足解消やダイエットにすぐに始められるスポーツ。無理なく生活に取り入れ、長続きしている人がいる一方で、三日坊主で終わってしまう人も少なくない。 どうしたらランニングを習慣にできるのだろうか? 30歳からランニングを始め、今年で15年というランナーの後藤啓介さんに、ランニングが長続きする考え方を教わった。 ■走りはじめるためのステップ 1.街めぐり感覚で気持ちよく走れるコースを見つける 風景や季節を気持ちよく感じられるコースを見つけてみよう。季節の風景が気持ちいい公園や住まいのエリアで観光名所になっているスポットを訪れるのもよい。 例えば、東京ならランニングの人気スポットである代々木公園や駒沢公園で緑を存分に感じることができるし、目黒川沿いなどでお花見がてらに走るのもおすすめ。また、浅草を訪れて浅草七福神を巡り、銭湯でひと風呂、というのも楽しい。 もちろん、旅行や出張の機会があればシューズとウェアを持っていき、知らない街を探検してみるつもりでランニングしながら街めぐりをしても良いだろう。走ることが楽しく気持ちよく感じられるコースから始めてみよう。 2.シューズ・ウェアを買ってファッションから入る いま、あらゆるスポーツウェアはおしゃれになっている。ランニングウェアもファッショナブルになっていて、そのまま電車やバスに乗ってもサマになるものが多い。スポーツブランド以外に、北欧やカリフォルニア発のこなれたウェアも気分を盛り上げてくれる。 ブランドカルチャーのつながりで、シューズと合わせてみても楽しい。例えば、「SAYSKY」のウェアに「On」のシューズとか。アウトドアブランドが好きな人の足元には、「HOKA ONE ONE」がおすすめ。 なお、シューズは、決してハイスペックなモデルがよいわけではなく、自分の走力に加え、フィット感を重視してもらいたい。 3.ランニングイベントやランニングクラブに参加する 正しい走り方を身につけると、ランニングは格段と楽になる。ランニングイベントやランニングクラブで、コーチに正しいフォームや自分に合った走り方を教えてもらおう。 ランニングクラブはハードルが高いと思われがちだが、走力別にチームが分かれているため、初心者でもウェルカム。練習仲間もできて一石二鳥だ。 4.旅行がてらマラソン大会にエントリーする 思い切ってハワイや沖縄などの旅行地で開催されるマラソン大会にエントリーしてしまうのもひとつの方法。 3ヶ月後や半年後のマラソン完走に向けて、目標ができ、否が応でも練習に身が入る。もちろんマラソン大会を走った後は開放感に包まれながら、旅行を満喫することができる。 ■ランニングを三日坊主で終わらせないために 5.早く走ろうとしない 運動能力に自信がある人は、ついタイムを計測して早く走ることを目標にしがち。しかし、ランニングを始めたばかりだと怪我のリスクもあるため、避けた方が無難だ。 ダイエットが目的であるならば、男性で心拍数110~120くらいの心拍ゾーンをキープすることを心掛けること。スピードは必要なく、1km6~7分くらいのジョギングこそ、高い脂肪燃焼効果が期待できる。 6.自分らしい頻度で走る マラソン大会に出場するなどの目標がある場合は、トレーニングメニューを決めて、それをこなしていくのは悪くない。ただし、やみくもに「週5日走る」などと決めてしまうと、スケジュール通りにいかないことがストレスになり、嫌になってしまうこともある。 それよりも、「時間ができたから、さくっと走ってくるか」くらいの気持ちで取り組もう。1日が終わったあとに「今日はランニングもでき、充実していたな」と思える達成感が味わえる。 7.雨が降ったときのためのトレーニングを用意する 梅雨の時期などはどうしても外を走れない日が続いてしまい、走るのをやめてしまうことも。そうしたときのために、自宅で体幹トレーニングやオンラインでのヨガなどのメニューを用意しておくと、運動習慣を継続できる。 最近は動画コンテンツが充実しているので、自分に合うものが見つかるはずだ。もちろん、スポーツジムに通っている人はマシンで走るのもよいだろう。 8.アプリやスマートウォッチを活用する ランニングの記録が残るアプリやスマートウォッチを活用してみよう。走った距離やコースはもちろん、どんなペースや心拍ゾーンで走ったか、履歴を残すことができる。 月間どのくらい走ったのかを定量的に知ることができ、モチベーションにつながってくる。 9.長い距離にこだわらない ランニングを習慣にする段階では、距離にこだわらず、まずは、外で走ってみることにしよう。スピード同様、急に長い距離を走りだすことは、怪我のリスクが大きい。 少しずつ距離に慣れてきたら、目標を決めて走ってみる。更なるスピードや距離を求めたい、というランナーには、ぜひランニングクラブの門を叩くことをおすすめする。 ■ランニングを人生の楽しみにするために 10.朝起きてすぐに走る 走る時間帯は「朝起きてすぐ!」がおすすめ。起き抜けに水やオレンジジュースを飲んだら、すぐにスタート。 朝日を感じながら行うランニングは、格別の気持ちよさが味わえる。ランニング後は、シャワーを浴びてお腹を空かせて朝ごはんを食べるもよし、そのまま寄り道してカフェでモーニングを食べるもよし。 ランニングで1日を始めると、脂肪の燃焼スイッチがオンに入り、体もマインドも充実したスタートが切れる。 11.忙しいときこそランニング 仕事が忙しいとランニングする暇がなくなると考えてしまうが、実は逆。忙しいときこそ、30分でもランニングを取り入れることでメリハリがつき、1日がピリッと引き締まる。 いっそのこと、走る時間を仕事時間に充てるのも1つの方法だ。運動しているときは頭が働くので、アイデアを考えたり、物事を整理したりする時間にしてみよう。重要なミーティングのプレゼンがあるなら、ランニング中に発表内容をロールプレイングするのもおすすめ。 12.続けられたときの満足感を楽しみにする オリンピアンは金メダルを獲るために4年間もの鍛錬を必要とするが、意外にもそこに辛さを感じている人は少ないという。つまり、1日の練習メニューをこなすことに達成感があるというのだ。 一般ランナーも同様、先のことは考えず、まずは1日1日を楽しみながら走ってみる。気づくと、1週間、3ヶ月、半年、1年と習慣となり、生活に充実感が満ちてくることが実感できるはず。ぜひランニングを続けて、人生の満足度を上げてみてほしい。 まとめ ランニングを始めようと思うきっかけは、運動不足解消やダイエットなどさまざま。誰もが最初は億劫に思いながら始める人が多いだろう。 しかし、12の考え方を知ると、ランニングを続けた先にある充実したライフスタイルを想像できたのではないだろうか? ぜひそうした気持ちよく満足度の高い世界に足を踏み入れてみよう。 【取材協力:後藤啓介】 ランナー歴15年。広告会社でスポーツビジネスを企画するビジネスマン。30歳で同僚とマラソン大会にエントリーしたのを機にランニングをスタート。ランニングの魅力にはまり、33歳でトレイルラン、38歳でトライアスロンにも挑戦。トライアスロンの年齢別・日本代表として世界選手権に出場したこともある。 取材・文:岡本のぞみ(verb)