「オリンパス粉飾事件」“長期勾留1位”の投資コンサル元代表と“証拠捏造”検察の戦い 再審請求へ
横尾宣政氏
「検察は正義」。もはや、誰も、その言葉を額面通りには受け取っていないはずである。なにしろ、無実の人間を陥れるために証拠物件の改竄にまで手を染めるのだから。 その一つの例が、「郵便不正事件」だ。大阪地検特捜部が捜査のシナリオに沿うように「フロッピーディスク」を改竄し、厚労省の村木厚子元事務次官(当時は雇用均等・児童家庭局長)を逮捕した挙げ句、164日間にわたって勾留した。最終的に冤罪を晴らしたとはいえ、一事が万事、ほかに濡れ衣を着せられた「罪人」が存在しないとは限らないのだ。 長期勾留ランキングで、村木元事務次官を上回るのは、「イトマン事件」の許永中氏(883日)や「鈴木宗男事件」の佐藤優元外交官(512日)、「森友事件」の籠池泰典理事長夫妻(298日)らの面々。 とはいえ、圧倒的な1位は、「オリンパス事件」の横尾宣政(のぶまさ)氏(966日)である。その事件は、精密機器メーカーのオリンパスが1990年代の財テク失敗で抱えた1000億円超の損失を隠すため、海外ファンドなどに付け替える「飛ばし」で簿外処理を行ったなどとされるもの。果てに、菊川剛元社長を始めとする当時の経営陣ら4人のほか、「指南役」として投資コンサルティング会社「グローバル・カンパニー・インコーポレーテッド」元代表の横尾氏ら3人がまずは2012年2月、金商法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で手が後ろに回った。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より)
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「週刊新潮」2022年6月9日号「MONEY」欄掲載