Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

韓国で巨大クラスターが続々発生 「文在寅が威張るたびに感染爆発」と顔をしかめる人も…

配信

デイリー新潮

「K防疫」は恥ずかしい

――そのタイミングは?  鈴置:もう少し先、といった感じです。まだ、感染爆発という状況には至っておらず、韓国人も「世界から尊敬されている」と依然、信じているからです。  ただ、朝鮮日報が「布石」的な記事を載せています。イ・テドン東京特派員が書いた「『他人の模範』から『反面教師』に」(5月18日、韓国語版)です。要約します。 ・韓国が感染を上手に抑え込んだために、日本では「韓国を見習え」との声が高まった。しかし最近、「韓国は反面教師だ」との評価に急変した。 ・自治体と一部の若者の油断によって梨泰院で集団感染が発生し、感染者が二桁になったからだ。いろいろと注目を集める「K防疫」。こんなお手本になるのはうれしくない。  この記事の批判の矛先は「自治体」――ソウル市ですが、市長の朴元淳(パク・ウォンジュン)氏は左派で、次の大統領を狙う1人です。  文在寅大統領が世界に向けて誇る「K防疫」という単語を使って皮肉っていることからも、身代わりにとりあえずソウル市を叩いている感じです。  読者も多くが文在寅批判という前提で読んでいて「数日前『K防疫』が世界の模範などと自画自賛。NHKが面の皮の厚さを冷笑していた」などと書き込む人もいました。  韓国の保守の中には、文在寅大統領が世界に向かって「韓国すごいぞ」と誇るのを恥ずかしがる人もいるのです。「あの男が世界に向けて威張るたびに感染爆発が起きる。もう、やめて欲しい」と日本人にこぼす人もいます。ネットでもそうした意見に出くわします。

瀬戸際の感染爆発

――「威張るたびに感染爆発」とは?  鈴置:2月13日、文在寅大統領は財界人を集め「防疫当局が最後まで最善を尽くしているので、新型肺炎はまもなく終息するだろう」と豪語しました。その6日後の2月19日に大邱で感染爆発が確認されました。  5月10日、文在寅大統領が「我々は防疫で世界を先導する国になっています。K防疫は世界標準になったのです」と演説しました。2日前の5月8日に梨泰院の集団感染が判明し結局、今の惨事につながっています。  今回の集団感染が、感染爆発と呼べるほどに巨大化するかは分かりません。グラフを見るに、今が瀬戸際でしょう。  でも、「大統領が威張るたびに悪いことが起きる」のは事実。韓国人とすれば、大統領の口に蓋をしたくなるのも当然なのです。 鈴置高史(すずおき・たかぶみ) 韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。 週刊新潮WEB取材班編集 2020年5月29日 掲載

新潮社

【関連記事】