コロナ禍で減少が一転 最近増えている痴漢被害 防止対策に警察も試行錯誤 「声をあげられない…」人向けのアプリも 愛知県
コロナ禍で減少傾向にあった「痴漢」ですが、最近また増加傾向にあるというデータが。声をあげるなど“拒否”すれば95%が犯行を断念するという「痴漢」。 しかし、実際は“声をあげられない”という人も。後を絶たない痴漢被害を防ぐため、試行錯誤が続けられています。
こちらは愛知県警が把握している、列車内・鉄道施設関連での痴漢などの相談件数をまとめたグラフです。 今年度は新型コロナの影響で、在宅勤務の増加や休校により電車に乗る人が減少したため、痴漢の相談件数も去年と比べて減ったということです。 しかし、経済活動の再開にともない、また徐々に増えてきているという現状も。
警察のデータによると、被害をうけたとき、無言で防御しただけだと67%が犯行を継続しますが、一方で声をあげるなど明確に拒否した場合、95%が犯行を断念するといいます。
愛知県警では、高校などに趣き、生徒たちに向けて痴漢被害を防ぐための授業を行っています。
この日、授業で配られたのは、漫画のようなイラストが入った冊子です。 中には、「犯人に狙われやすい電車のドア付近を避けること」「防犯ブザーを見えるところにつける」など、被害を未然に防ぐポイントが書かれていました。痴漢や盗撮についてまとめられたハンドブックは、全国で初めての試みだということです。
手がけたのは鉄道警察隊の村瀬巡査。痴漢や盗撮の電話相談を受ける仕事を通して、被害者が頼れる物があればと作ったといいます。 「(痴漢などの)相談をずっと受けてきた経験の中で被害にあったときに、どうしたらいいかわからなかったと悔しそうに話す女性を何人も見てきた」(鉄道警察隊 村瀬文乃 巡査)
また、“いざとなると、なかなか声を上げられない…”という人に向けて勧めているのが、愛知県警のスマートフォン向けアプリ「アイチポリス」の使用です。 下のタブをタップすると、「止めて下さい、止めて下さい」という音声が流れ、防犯ブザーの代わりになります。周りの人に被害を知らせることができるのです。
愛知県警は痴漢や盗撮被害の相談電話「ふれあいコール」を設置し、気軽に電話してほしいと呼びかけています。 ふれあいコール:052-561-0184(24時間対応、原則、女性警察官対応)