「今シーズンの感謝を込めて」 小屋閉めって、めちゃ楽しい! 冬支度の立山へ
■雪が少なくたって初滑りは立山で!
翌朝。快晴ですっきりとした青空が広がっています。放射冷却で冷え切った空気が心地よく感じられます。そんな中、脚自慢のスキーヤーたちが吹きだまりのパウダーを求めて出発していきました。 室堂ターミナルの掲示板には、「剣沢:積雪40cm・新雪20cm」と表示されていました。滑れるほどの積雪がある場所は限られていますが、それでもスキー上級者なら、うまく雪を拾って滑ってくることができるのでしょう。 昼頃には、雷鳥沢には、多くのシュプールが描かれていました。帰ってきたスキーヤーたちは「いやあ、たくさん岩がヒットして板をやっちゃったよ。」と言いながらも顔は初滑りの満足感でニヤけていました。もちろん、初中級者にはまだまだ危険がいっぱい。転倒すれば岩との接触が避けられない場所が無数にあります。これからの長いシーズンを楽しむためにも初滑りの無理は禁物です。 気温はぐんぐん上昇し、アウターや手袋も脱ぐほどになりました。雪をかぶった山々を眺めているだけで幸せな時間を過ごすことができます。 ハイマツの陰には、すっかり真っ白になったライチョウが体を休めていました。これからの厳しい冬を無事に乗り切ってほしいと願いました。
■着々と進む小屋閉めの準備
今回お世話になったのは、標高2,410mにある日本一高所の天然温泉が自慢の「みくりが池温泉」です。11月25日が営業終了日。小屋閉めに向けて、準備が着々と進められていました。 部屋も窓はすでに半分ほど板で囲まれていましたし、展望が素晴らしい浴室も一か所をのぞいて覆われていました。滞在中も、小屋閉めに向けてゴミ箱が片付けられたり、使用できるトイレが縮小していったりしました。 しかし、これらのことで不便や不満を感じることは全くありません。逆に、本格的な冬を迎える準備を共有できる幸せを感じる時間になりました。 また、スタッフの方々のいつも以上にきびきびした動きにも感心させられました。小屋閉めの準備は1か月前ほどから始まり、2週間前から本格化したそうですが、各々の分担業務を粛々と行う姿に頭が下がる思いでした。