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免許返納県内1000人増 池袋高齢者事故きっかけ

配信

北日本新聞

 県内で2019年に運転免許証を自主返納した高齢者は5658人で、前年より千人近く増えたことが、県警への取材で分かった。東京・池袋で同年4月、高齢ドライバーの車に母子がはねられ死亡するなど、高齢者による事故が相次ぎ、返納を決めた人が増えたとみられる。県警は返納に加えて交通ルールの徹底を呼び掛け、輪禍防止を目指す。 (吉本佑介)  ちょうど1年前の2019年4月19日。東京・池袋で旧通産省職員の男(88)が運転する乗用車が赤信号の交差点に進入した。男を含む10人が重軽傷を負い、自転車で横断歩道を渡っていた母子がはねられ死亡する惨事が起きた。男は20年2月、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で在宅起訴された。  この事故の原因は、アクセルとブレーキの踏み間違いとされている。事故を契機に、運動機能や認知機能が落ちた高齢ドライバーの事故防止に向けた機運が、全国的に高まった。  警察庁のまとめでは、19年の運転免許証の自主返納者は60万人を超え、過去最多になった。県内でも18年の4717人から941人増え、最も多かった。県警交通企画課は「池袋の事故が報道で大きく取り上げられ、ハンドルを握る高齢者が免許証を手放すことを決めたのではないか」とみる。

 ただ、県内で高齢運転者が過失の最も重い「第1当事者」となる交通事故は後を絶たない。発生件数全体に占める割合は増加傾向が続いており、19年は26・8%と過去最高だった。  事故防止に向け、県警が免許自主返納の呼び掛けとともに進めるのが、重傷・死亡事故につながりやすい交差点や横断歩道周辺での安全対策だ。  運転する時間やエリアを自ら制限する「やわやわ運転自主宣言」は、運動機能の衰えをカバーする目的で県内多くの地域で実施。信号機のない横断歩道での歩行者優先ルールの浸透に向けては、20年3月から取り締まり強化日を設けて警察官が目を光らせている。  同課の担当者は、携帯電話などを使用しながら運転する「ながら運転」の厳罰化のような即効性は期待できないかもしれないと分析。その上で「交通事故の発生状況を踏まえた施策や取り締まりを地道に続けていきたい」としている。

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