「もったいない?しかたない?」空いてきた大阪の宿泊療養施設『平均使用率16%で月31億円』 担当者「推測できない次の波に備えたい」
2022年6月現在、大阪府内の新型コロナウイルスの宿泊療養施設の中には、陽性者が1人も宿泊していない施設があります。それでも次の波に向けて多くの税金が費やされています。取材班は今回、費用の詳細を入手。あまり使われていないのにもったいないという意見もあれば、感染拡大に備えるためにはしかたないという意見もあるこの費用について、大阪府の新型コロナウイルス対策のキーパーソンである大阪府健康医療部の藤井睦子部長に直接話を聞きました。 【映像】6月23日の宿泊療養施設の使用率は5.6%…今後の施設の役割は?
大阪府内にある宿泊療養施設の様子。 (館内アナウンス) 「昼食の準備が完了いたしました。昼食は1階にございますので、30分以内にお取りください」
アナウンスを受けて特設コーナーを訪れると、療養者用に用意された色とりどりのお弁当が置かれていました。
さらに、体調が悪くなった時にはタブレット越しに医師のオンライン診療を受けられるなど、療養者が不安なく過ごせるよう設備が整えられています。
夜なのに部屋の灯りがついていない…宿泊療養施設の今
しかし6月22日、別の宿泊療養施設では…。 (大吉洋平アナウンサーリポート) 「大阪市内にある宿泊療養施設の前に来ています。今、午後9時過ぎなのですが、部屋の灯りが1つもついていません」 人の気配がまるで感じられない宿泊療養施設。大阪府内には同じように感染者が誰も入っていない宿泊療養施設がいくつもありました。6月23日は22の施設が空き部屋状態だったといいます。
今年4月は10か所の施設が全く使われずに4億6000万円の請求
取材班が入手したのは大阪府内にある40の宿泊療養施設からの請求書です。今年4月の1か月分で総額31億円あまりが大阪府に請求されています。
施設Aの請求書は1室5300円で319室・30日分。ゴミ回収代は1袋1万5000円。枕カバーとシーツ交換代で174万円。食事などもあわせると約1億2000万円です。
また施設Bの請求書は療養者が使った部屋は5800円。使わなかった部屋は3500円と値段に差はあるものの、合計は約8500万円です。