韓国、税収パンク３０兆ウォンだが…滞納額２３兆ウォン、１１年間に回収１．５％のみ
韓国政府が過去１１年間に２３兆ウォン（約２兆５０００億円）の税金を徴収できず、税金の代わりに差し押さえた株式も５兆ウォンほど売却していないことが明らかになった。昨年の５６兆４０００億ウォンの「税収パンク」に続いて今年も国税収入が約３０兆ウォン不足すると予想される中、政府が税収の確保を徹底していないのではとの指摘が出ている。 ＜１＞悪性滞納額の徴収率わずか１．５％ 国会企画財政委員会所属の鄭泰浩（チョン・テホ）共に民主党議員が国税庁から提出を受けた「悪性滞納額徴収現況」によると、２０１３年から今年８月まで悪性滞納額２３兆６５０２億ウォンのうち徴収したのは３７６２億ウォン（１．５％）にすぎなかった。このうち国税庁が韓国資産管理公社（ＫＥＭＣＯ）に１１年間支払った手数料（１５３億ウォン）を差し引けば事実上の徴収金額は３６０９億ウォンとなる。国税庁は徴収の可能性が低い人や廃業した法人などに対してＫＥＭＣＯに徴収業務を委託している。ＫＥＭＣＯが徴収に成功する場合、一部を手数料として支払う構造だ。 また国税庁がＫＥＭＣＯに委託した滞納額のうち委託業務が解約された滞納額は約１６兆４８０７億ウォンにのぼった。国税庁の関係者は「ＫＥＭＣＯは１年以上滞納の件で徴収が難しいと判断した場合には管轄税務署長に委託解約要請ができる」と説明した。解約された滞納額のうち約１５兆５０００億ウォンは国税基本法上の国税賦課期間（５年）が経過して国庫損失として処理された。 ＜２＞相続税の代わりに受けた株式は未処分 鄭議員が企画財政部から受けた「物納財産の未処分株式現況」資料によると、政府が２０１３年から今年８月まで相続税の代わりに受けた株式６兆４６９億ウォンのうち売却した金額は４２５８億ウォンにすぎなかった。物納は相続人が現金の代わりに株式や不動産資産などで相続税を出す制度。相続財産のうち不動産と有価証券の価額が１／２を超過して相続税税額が２０００万ウォンを超える場合に選択できる。 問題はこのように受けた株式が売却できていない点だ。政府は物納として受けた株式の配当金として２０７億９７００万ウォンを追加で受領したが、同じ期間に株式売却・管理などの予算として４０４億２０００万ウォン（年平均３６億７４００万ウォン）を使った。企画財政部側は「保有株式を売却する過程で投資説明会などを開くので予算がかかる」と説明した。 しかし効果は少ない。売却されていない株式の大部分を占めるネクソンの持ち株会社「ＮＸＣ」株４．７兆ウォンほどは昨年１２月の２回の入札、今年５月の投資説明会でも買収希望者がいなかった。証券会社の関係者は「結局、株式価格をさらに低めて売却せざるをえない」とし「税収が縮小する結果につながるしかない」と話した。 ＜３＞ＫＥＭＣＯに任せる構造が問題 滞納税金の低調な徴収率と株式売却率は、企画財政部・国税庁がＫＥＭＣＯに業務を押しつける奇形的な構造のためというのが政界の分析だ。悪性滞納徴収を委託されたＫＥＭＣＯは国税庁とは違って財産差し押さえなど強制徴収権限がなくて、滞納者に案内文の発送や電話案内などの業務だけをする。ＫＥＭＣＯの関連業務担当者も今年基準で５４人にすぎず、関連予算は昨年より１億５０００万ウォン減少した。 株式売却も構造が似ている。物納財産の所有権は企画財政部にあるが、管理および処分業務は企画財政部がＫＥＭＣＯに委託する。ＫＥＭＣＯの関連人員は今年を基準に２４人だ。ＫＥＭＣＯの関係者は「ＮＸＣのような大量の株式を売却した事例がＫＥＭＣＯには一度もない」とし「年内売却を引き受ける証券会社を選定して民間に任せる予定」と明らかにした。 鄭議員は「物納財産の売却と税金徴収は企画財政部と国税庁の任務」とし「むやみにＫＥＭＣＯに押しつけるのではなく主導権を持って根本的な解決策を見つける必要がある」と述べた。
