24歳左利きMFが中村俊輔の伝説FK以来日本人3人目CLデビュー弾…股抜きでバイエルンに一矢
◆欧州CL 1次リーグ 第1戦 バイエルン9―2ディナモ・ザグレブ(17日、アリアンツ・アレーナ) 各地で開幕し、1次リーグでディナモ・ザグレブ(クロアチア)のMF荻原拓也(24)は、バイエルン(ドイツ)戦で奥寺康彦(CLの前身大会)、中村俊輔に次ぐ日本人3人目のCLデビュー戦ゴールを挙げた。試合は2―9と大敗も、ドイツ屈指の名門相手に存在感を示した。日本代表MF守田英正(29)が前半のみで退いたスポルティング(ポルトガル)、同・遠藤航(31)が終了間際に出場したリバプール(イングランド)は白星発進。欧州CLは今季より新方式で行われる。 ドイツ屈指の名門を相手に、CL初陣の荻原が一矢を報いた。左ウィングバック(WB)で先発。バイエルンの猛攻を受けて、前半だけで3点のリードを奪われた。しかし、後半開始直後に1点を返すと、さらに同5分。左サイドへのスルーパスに抜け出し、GKの股下を通す技ありのゴール。一時、1点差に迫るCL初ゴールに、雄たけびを上げてチームメートたちからの祝福を受けた。 日本人のCLデビュー戦での初ゴールは、78~79年のケルンMF奥寺康彦、06~07年のセルティックMF中村俊輔に続き3人目。中村がマンチェスターU相手に決めた伝説的な直接FKゴールから、18年ぶりとなった。しかし、チームは失点を重ね、計9点を奪われて大敗。後半28分に途中交代となった荻原も悔しさをにじませた。 24年1月に浦和からの期限付き移籍でディナモ・ザグレブに加入。「浦和レッズでの成長や経験を糧に海外で活躍できることを証明するのも恩返しだと思っています」と語っていた。昨季は定位置をつかめず、今季もまだリーグ戦では6試合中2試合の出場にとどまっているが、CLの大舞台で推進力と攻撃力をアピールした。 左利きで左サイドのスペシャリストだが、日本代表の選出歴はまだない。現在、森保ジャパンが採用する3―6―1のシステムでは、三笘ら右利きのアタッカーが左WBを務めるが、左利きの荻原はまた違ったタイプだ。このゴールをきっかけに欧州での活躍が続けば、日の丸を背負う可能性も高まるはずだ。 ◆荻原 拓也(おぎわら・たくや)1999年11月23日、埼玉県出身。24歳。2012年から浦和ジュニアユースに所属し、浦和ユースを経て、18年にトップ昇格。20年は新潟、21、22年は京都への期限付き移籍後、23年に浦和復帰。1年契約の期限付き移籍で今年1月からクロアチア1部ディナモ・ザグレブでプレー。J1通算62試合3得点。175センチ、73キロ。利き足は左。
報知新聞社