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セレブの誹謗中傷対処法を例に、SNSとの向き合い方を考える。

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VOGUE JAPAN

SNSでの誹謗中傷に苦しむ人が後を絶たない現代社会。繋がりを感じられたり、一個人が世界へ向けて声を上げることができる一方、匿名の人間に執拗に追い詰められることもある。SNSが凶器に変わるメカニズムについて、精神科医の古賀良彦先生が解説。標的になりやすいセレブの対処法とともに、今一度SNSとどう対峙すべきかを考え直してみよう。

SNSは夜、凶器に変わりやすい。

SNSの発達とともに、精神科や心療内科を受診する人数が急激に増えている。日本でも、中傷を規制する議員立法の動きが見え始めてきた。ネット上での攻撃が止まない今、私たち一人ひとりのモラルが本格的に問われる時代となったのだ。 2017年にイギリスのRSPH(王立公衆衛生協会)がYouTube、Instagram、Facebook、Twitter、Snapchatの5つのソーシャルメディアプラットフォームを利用する14歳~24歳の1,479人に対し、ある調査を行なった。それによると、孤独感を解消したり自己表現の場として捉えられたりするなどポジティブな影響をもたらすのがYouTube、反対に不安感に苛まれたり外見などへの劣等感を持ちやすくなるのが、加工した画像がフィードに流れるInstagramという結果が出た。また、SNS全般において不安感や鬱の増幅や睡眠の質を低下させる危険があるとも指摘している。タバコやアルコールより強い依存性があり、過去25年間で心の健康を害する若者が7割増え、10人に7人はネットいじめを経験しているという。 見知らぬ人が励ましてくれたり、ペットのもらい手がすぐに見つかったり、難病治療のための巨額な支援金がすぐに集まったりと、SNSは人の命や心を救う立派な“救済”ツールの側面もある。しかし同時に匿名性も加わるため、自己開示と自己隠蔽が同時に起きやすくなり、気軽に投げた言葉一つで取り返しのつかない事態へと発展したり、“群”となって相手を追い詰めてしまったりする危険も孕んでいる。 「インターネットは、お互いの顔が見えない“匿名の空間”です。相手の顔が見えないだけに、対面では言えない心の奥までさらけ出す事が出来る場所でもあるのですが、反面一人で黙々とインターネットに書き込みをしていると、だんだん言って良いことと悪いことの区別がつかなくなってエスカレートしてしまう危険性も潜んでいます。さらに、そんな自分を側で止める人もいないとなると、なおさら歯止めが効かなくなる。特に1日の中でその傾向が顕著に現れる時間帯が“夜”。夜にネガティブな書き込みをするのは危険ですね」。こう話すのは、うつ病や睡眠障害を専門に診る、精神科医の古賀良彦先生だ。 何故“夜”なのか。理由は、人間の思考というのは、夜にネガティブに陥りやすい傾向があるからだ。寝る前にSNSを延々とチェックしていたら止まらなくなったり、最初に読んでいた人の投稿からほかの人の投稿へと移動しているうちに、気づくと全く別のところにいる自分を発見し、我に返ったりすることもあるだろう。夜のSNSは、見る側の感情や行動もエスカレートさせてしまうものでもある。 歪んだ正義感から生まれるいじめ。 6年前のアメリカで、1億人と合計10億以上もの投稿を対象に、SNS上での“感情動向”について米IT大手が詳細なリサーチを行った。これによると、投稿者の“感情”は伝染しやすいことが判明した。つまり、ポジティブはポジティブを呼び、ネガティブはよりネガティブを呼ぶということ。特に前者の方が他人の感情に大きく影響するとの結果も判明していることから、大勢の共感が得やすいのも、難病救済のための資金が集まりやすいのも大半はこれで説明がつく。と同時に、炎上やいじめもSNS場ではあっという間に拡大してしまう、ということも。 「 いじめが始まるきっかけは“歪んだ正義感”であることが多いです。理由はその人の思う正しいモラルに反しているから、仕事のやり方が気に食わないから、面白くないから、見た目……といったそれこそターゲットにされた側からすると『どうしようもない』ことばかりですが、いじめる側は『至極まっとうな理由』だと思っている。そしてひとたびネガティブな集団心理が生まれると延々と拡散され続けるため、ターゲットにされたら逃げ場がなくなってしまうんです。これが学校だったら現場でなんとか解決しようとするパターンが多いのですが、職場の場合はそうはいかない。クリニックに相談に来る社会人の中にはこういう理由で会社を辞めたい、と相談にいらっしゃる方が非常に多いです。特にスマートフォンの普及後は、来院者数が急増したのは確かですね」

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