絵で触れるパレスチナ 長野県松本市美術館でガザの画家や子供描いた作品展示へ
イスラエルによる攻撃で人道危機が続くパレスチナの画家や子供たちの美術展「パレスチナに光はあるか」が19~22日、長野県松本市美術館で開かれる。爆撃により現地の多くのアトリエや作品が失われる中、同市出身の書家・上條信山の遠縁にあたる現代美術家・上條陽子さん=相模原市=のプロジェクトが国内で管理するガザの人々の絵画が、戦禍を逃れ、松本で紹介できることになった。関係者は芸術を通して、多くの人がパレスチナに心を寄せるよう願っている。 上條さんが代表を務める「パレスチナのハートアートプロジェクト」(PHAP、相模原市)と、信州イスラーム世界勉強会(事務局・松本市)が共催で企画した。 展示会では、PHAPが管理するパレスチナ自治区ガザの7人の画家や現地の子供たちの絵画など百数十点を並べる。7人は画廊・エルチカをガザで経営していたが、爆撃で破壊され、作品や画材も失われた。生活が困窮する中、画家たちはPHAPの下で戦禍を逃れた作品の売却を希望しており、まとまった作品を鑑賞できる貴重な機会になるという。 22日には関連セミナー「戦争と闘う美術の力」も市勤労者福祉センターで開催する。上條さん、一橋大学名誉教授の鵜飼哲さん、ジャーナリストの小田切拓さんが講師を務める。 上條さんは平成13(2001)年にPHAPを立ち上げ、レバノンやガザの難民キャンプで子供たちに絵画を指導。パレスチナ画家を招聘して日本で巡回展も開くなど、積極的なパレスチナ支援を展開してきた。 同勉強会は「紛争の背景を理解できずにいる人は少なくない。関心を寄せ、学び、知る機会にしてほしい」としている。 いずれも参加は無料。問い合わせは事務局(電話0263・50・5514)へ。
市民タイムス