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スカウトはもういらない?各球団が「データ至上主義」に突き進むMLBのドラフト事情

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THE DIGEST

日米で異なる「ドラフトへの向かい方」

 新型コロナウイルスの影響で、日本では3月に行われる予定だったセンバツ高校野球、さらに8月の甲子園大会も中止が決定。大学野球や社会人リーグなども次々と開催が見送られており、各球団のスカウトから「どう選手を見つけたらいいか……」「選手の成長を確認できない」といった声が上がっている。 【PHOTO】全米に衝撃を与えた大谷翔平の二刀流、はじける笑顔、日本代表での秘蔵ショットも大公開!  しかし一方、現地11日に迫っているアメリカのドラフトは様相が少し異なっている。その理由は近年、メジャーリーグの各球団はスカウトの声に依存することなく各選手を評価するシステムを構築しているからだ。 「1990年代と比べて、今では選手たちの情報がたくさん手に入るので、ドラフトへの準備がしやすくなっている」。 オークランド・アスレティックスのスカウト部長、エリック・クボタは『ジ・アスレティック』にそう語っている。また、サンフランシスコ・ジャイアンツのスカウト部長であるグラント・ホームズも「ドラフトに向けて着実に準備ができている」と自信をうかがわせているのだ。  なぜ、スカウト部門のトップたちは、かく語るのか。それは、近年のアメリカ球界における「データ革命」と深く関係している。日本でも有名になった「フライボール革命」も、そもそもはデータ分析によって長打になりやすい打球角度、スウィング軌道が明らかになったことが出発点だった。同じように投手の場合は、速球や変化球の回転数を上げるための投球フォームやトレーニングが確立されてきている。  この動きがアマチュア球界にも広まっていることが、日本とアメリカの最大の違いと言っていい。投球の回転数や打球角度などを瞬時に測定する『トラックマン』が、アメリカでは何とNCAA(全米大学体育協会)所属1部リーグの全校に配備されているのだ。  大学だけではない。有力高校生が集まるトーナメント会場にも『トラックマン』は設置されている。実際、昨年ソフトバンクに入団したカーター・スチュワートJr.も、2018年ドラフト直前に行われた大会で驚異的な回転数のカーブを披露し、アトランタ・ブレーブスから全体8位指名という高評価を受けるに至った。  従来のスカウティングは、スカウトが実際に選手のプレーを見て、現時点の力量や将来性についてレポートをまとめるやり方が主流だった。しかし今や、スカウトの“主観”に頼るよりも、打球の角度の付け方やスウィング軌道、各球種の回転数や曲がり幅、リリースポイントなどを数値化し、そのデータから選手の力量を評価する手法が重視されるようになってきている。  もちろん、こうしたデータも簡単にアクセスできなければ何の意味がない。MLBはドラフト有望株のトラッキングデータが集められたクラウドサービスを運用し、各球団が閲覧できるようにしている。これに飽き足らず、昨年には『ドラフト・プロスペクト・リンク』(DPL)と呼ばれるプラットフォームを作り上げた。ドラフト候補生のこれまでの経歴や故障歴を一覧できるにと同時に、選手や家族にDPLを通して質問などのやり取りができる、というものである。全30球団が平等に“戦える”環境を作り上げているのだ。

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