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元特捜検事と元新聞記者が明かす「検察とメディアの癒着」

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NEWS ポストセブン

長谷川:私もそういう中で、やってきました。でも、新聞の場合は論説委員室というのがあって、論説委員がいる。これはちょっと違って、一応、社内では自分の意見を述べるという建前になっている。まあ、本当はそうはなっていないんだけれど、自分の考えであるらしきものを会議でプレゼンして、それが採用されれば、それを社の意見として社説に書く。私はたまたま46歳で論説委員になってしまって、そういう仕事をやり始めたわけですけれど、当時は、実は財務省お気に入りの記者で、財政審の委員になっていたりしたんで、さっき言った「対外説明」の紙ももらっていたんです。これさえ持っていれば財務省に取材する必要なんてない、全部書いてあるから。自分で言うのもなんですけど、私は「スーパー特A級のポチ記者」でした。

 ところが、ある時、後に財務次官になる幹部と議論したんです。そこで「財政再建のためにも、政府のサイズをもっと小さくしたらいいんじゃないか」と言ったら、彼はその「対外的説明の流れ」に沿ってお話しをされた。それを聞いて「ああ、この人は私と全く議論する気がないんだな」と分かりました。私はまがりなりにも論説委員だし、財政制度等審議会の委員だったんですけど、そんなのはまったく関係ない、というか、ポチにすぎない。その経験があって、これが私の永遠のテーマになるんですけど「メディアの自立」ということに考えが至ったんです。

 メディアは、いかにして霞が関など権力や政治から独立してモノを考えられるか、こうすべきじゃないかという議論ができるようになるか。でも、そういうふうに自分を位置付けて、政府や検察にモノを言ってくのは、大変なリスクがある。間違えるリスクがあるし、サラリーマンで論説委員やっていれば、給料もらえますし、周りからちやほやされます。でも、いずれ組織から離れたときに食っていけるか、という別の問題もある。たまたま私は、それなりにやってきましたが、私から見て、自分でモノを考えて、ポチにならずに議論している記者って何人いるか。ほとんど、見当たりませんね。

◆対談は2020年6月24日に行われた

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