歯ブラシは細菌だらけ。正しいお手入れの仕方は?
世の中には、2種類の人間がいます。 無造作に歯ブラシを外気にさらし、トイレもある浴室に保管するタイプと、歯ブラシを使わないときはわざわざカバーをかけておき、定期的に食洗機や紫外線殺菌装置で消毒するタイプです。 この2つのタイプのうち、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)とADA(アメリカ歯科医師会)のガイドラインに従って歯ブラシをケアしているのはどちらでしょうか。驚くなかれ、それは一見ものぐさに見える前者のタイプです。 でも、歯ブラシには細菌や微生物がいっぱいついているんじゃないでしょうか。 確かにそうです。どんな歯ブラシも細菌だらけで、そのほとんどは私たちの口から出たものです。 歯ブラシの汚れに関する研究のレビューでは、すべての研究で「使用後の歯ブラシには、大量の細菌の付着と生存が認められた」と報告されています。 歯ブラシには細菌が付着しており(工場出荷時点でさえ清潔であっても無菌ではありません)、口の中にいる細菌をすぐに拾ってしまいます。 もし、口の中に病気の原因となる微生物(歯周病菌、ヘルペスウィルス)がいれば、歯ブラシに付着してしまい、完全に取り除くことはできません。 また、歯ブラシが古くなると、表面が摩耗して、さらに多くの細菌が付着するようになります。
人間は歯ブラシの雑菌では死なない
先に、はっきりさせておきたいことが1つあります。歯ブラシにばい菌が付着していると思うとぞっとするかもしれませんが、実は健康被害につながるケースはほとんどありません。 CDCの報告によると、出血性疾患のある人や免疫不全の人は、他の方法で口腔ケアを行う必要があるようですが、それ以外の人については、「歯ブラシの使用に直接関連する健康への悪影響は認識していません」。
使用後の歯ブラシは自然乾燥させること
これらの細菌にはどのように対処するのがベストでしょうか。CDCとADAによると、歯ブラシを自然乾燥させることが鍵だそうです。 歯ブラシを使った後、歯ブラシを水道水ですすぎます。 これで細菌を除去できるわけではありませんが、乾燥を妨げる歯磨き粉の塊やその他の汚れを取り除くことができます。歯ブラシを立てて置けるホルダーに入れ、自然乾燥。 乾燥させることで、細菌の繁殖を防ぐことができます。使用済みの歯ブラシを容器に入れたり、キャップをかぶせたりすると、細菌の繁殖が促進されやすくなります。 多少細菌を排除しても、容器の内部で繁殖している細菌には勝てません。 歯ブラシの正しいお手入れのしかた: 歯ブラシは他人と共有しないでください。唾液の残滓まで他人と共有することになってはいけませんから。 上記と同じ理由で、自分の歯ブラシを他人の歯ブラシに接触させないようにしましょう。 歯ブラシは擦り切れたら、あるいは3~4カ月ごとに交換しましょう。歯ブラシの状態が良いほうがきれいに歯を磨けます(細菌の繁殖も抑えます)。 もし、細菌のことが気になって、何とかしなければと思うなら、ADAは、リステリンか3%の過酸化水素(ドラッグストアで茶色の瓶に入って売っています)に歯ブラシを浸しておくことを推奨しています。 これですべての細菌が死滅するわけではありませんが、85%のレベルまで減少する可能性があります(膨大な数のバクテリアの85%はやはり膨大な数のままですが、少し気が楽になるかもしれません)。 歯ブラシを食洗機や電子レンジに入れないでください。細菌を殺すかもしれませんが、歯ブラシを傷つけることになります。 紫外線(UV)滅菌器については、専門家の間でも意見が分かれているようです。CDCは「歯ブラシにダメージを与える可能性がある」としています。 ADAはその存在を認めていますが、推奨も反対もしていません。