《新型コロナ》茨城県独自緊急事態入り 施設休館や利用制限
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う茨城県独自の緊急事態宣言の発令期間が18日、始まり、2月7日まで対策強化の3週間に入った。宣言に基づく措置として、観光や文化施設など屋内を中心とする県の56施設が利用制限や臨時休館となったほか、各市町村でも施設の休館などが相次いだ。一方、図書館の対応については、県や各市町村で判断が分かれた。飲食店の営業時間短縮要請も全県に広がったことで、協力金への問い合わせが相次いでいる。 ■公開中止 今月上旬の3連休には凍結が9割ほど進み、幻想的な姿を見せていた名勝、袋田の滝(大子町)。県独自の緊急事態宣言初日の18日、観瀑(かんばく)台は閉鎖され滝の一般公開は中止となった。 袋田観瀑施設管理事務所によると、この日は閉鎖を知らずに訪れた観光客が何組かいた。担当者は「凍結が進み、滝のPRにつながっていた。これから観光客が増えてくると思ったのに」と肩を落とす。 県管財課によると、休館するか利用が制限される県有施設は、「3密環境が含まれる」観光、文化施設や体育館など計56施設。本来なら年間100万人超が訪れるアクアワールド県大洗水族館(大洗町)でも駐車場が閉鎖され、施設入り口には臨時休業を知らせる案内が貼り出された。 ■分かれた判断 一方、偕楽園(水戸市)など屋外の施設は園内の一部を除き原則開園している。同園では好文亭で週末に開催する「呈茶」サービスを中止したが、開園は続ける。笠松運動公園(ひたちなか市など)も開放するものの、体育館やテニスコートなど有料15施設を利用中止とし、閉園時間を午後6時と3時間早めた。 図書館は県や市町村で対応が分かれた。県立図書館(水戸市)は、DVD上映会やワークショップなど主催事業を中止とした半面、開館を続ける。これに対し、水戸市は、中央図書館と地区5館(東部、西部、見和、常澄、内原)を全て休館。守谷市も守谷中央図書館を18日から「当面の間」休館とした。 県立図書館の開館について、県生涯学習課は「調査研究や調べ物など、県民の学習機会が失われないための判断。受験シーズンを迎え、学生にも配慮した」と説明している。 ■相次ぐ相談 18日から県内全域に拡大された飲食店の営業時間短縮要請では、事業者から内容に関する問い合わせが相次いだ。県によると、宣言が発表された15日から18日までの4日間で、問い合わせ件数は約880件。申請の方法や必要書類、要請に全期間応じた事業者に支払われる協力金の内容や支払い対応などについての質問が多かったという。 県は営業時短要請について、感染者との接触通知システム「いばらきアマビエちゃん」の登録事業者約1万件に通知。商工団体も通じて事業者に呼び掛けた。県中小企業課は「協力金の申請を忘れずにしてほしい」と話した。申請は22日から受け付け開始予定。 県は今後、県内の飲食店で人が密集していないかを確認するパトロールの実施も検討している。
茨城新聞社