ボディメイク目的の「筋トレ×ラン」両立の注意点と、減量トレ4つのポイント【専門家が監修】
脂肪燃焼の場合も、筋肥大の場合も、基本的に取るべき筋トレ戦略は同じ。今回は脂肪燃焼を加速しようと「筋トレとランニング」を併用する場合の落とし穴について。[取材協力/パーカーフィットネス] * 脂肪を燃やしたいなら、とことん走るべき。これはある意味で正しく、ある意味で正しくない。確かに有酸素運動には優れた脂肪燃焼効果があるが、同時に干渉効果によって筋トレの効果を下げてしまうのだと、YouTubeで科学的な筋トレを推奨しているパーカーフィットネス氏は言う。 「はっきりした原因は不明ですが、干渉効果は多くの研究で示されています。有力な原因と考えられているのがカラダの適応。中強度のランニングをすると、マラソンランナーのようなカラダに適応しようとして筋肥大を妨げてしまうのです。筋トレ後の有酸素運動は避けるべきでしょう」(パーカーフィットネス氏)
ポイント1 筋トレと組み合わせるならランよりHIIT
筋トレで筋肉量増加と基礎代謝量アップを狙いつつ、少々きつくても脂肪をバンバン燃やしたい。そんな人には、HIIT(High Intensity Interval Training)がおすすめだ。HIITは、ランニングやサイクリングなどの有酸素運動と比較すると、干渉効果が小さいことが研究で明らかになっている。 短時間で効率よくカラダを鍛え、脂肪燃焼も狙えるHIITだが、万能というわけではない。HIITの先駆けとされるタバタプロトコルでは、最大酸素摂取量の170%の強度で行うと定義されている。 たとえば、会話ができるペースのジョギングは最大酸素摂取量の50%程度の運動だ。HIITの定義に当てはまる強度に到達し、それを継続するのはなかなか大変なのだ。
ポイント2 EPOCに過剰な期待をしてはいけない
EPOC(Excess Post-exercise Oxygen Consumption)という言葉を聞いたことがあるだろうか。運動後過剰酸素消費量と訳されるのだが、簡単に説明すると、激しい運動をして酸欠状態になったカラダは、通常よりも多くの酸素を摂取して消費する。これがEPOCだ。 EPOCで酸素消費量が増えている間は、エネルギー消費量も増える。それがHIITのような強度の高い運動をすると、アフターバーン効果があるといわれる理由だ。 確かにEPOCや、それに伴うアフターバーンは存在するが、大きなカロリー消費が生まれるわけではないので、過剰に期待するのは禁物。アフターバーンに期待するくらいなら、運動時間を延ばしたり、ご飯の大盛りを控える方がよほど効果的。