公務員の年収は「高卒」「短大卒」「大卒」でどのくらい違う? 生涯年収にはどのくらいの差があるの?
皆さんの中には「公務員の収入や出世の仕方に最終学歴が影響するのかどうか気になる」という方もいるかもしれません。 そこでこの記事では、最終学歴が「高校卒業」「短期大学卒業」「大学卒業」の場合の公務員の生涯年収を解説します。どの程度の差があるのか、比較してみましょう。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
公務員の学歴別生涯年収を比較
公務員の収入は、国家公務員と地方公務員とで異なります。まずは、それぞれ60歳までの生涯年収を学歴別に比較してみましょう。 ■国家公務員の学歴別生涯年収 まずは、国家公務員の生涯年収を計算します。 人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査」で発表されている、年齢階層別の平均給与月額を基に、生涯賃金を計算したものが表1です。なお、平均給与月額とは、基本給に諸手当(時間外勤務手当・特殊勤務手当などを除く)を加えた数字のことで、ボーナスや退職金は含まれていません。 表1
※人事院「令和5年国家公務員給与等実態調査」を基に筆者作成 高校卒業と大学卒業とでは、700万円ほどの差があることが分かります。大学卒業の人が38年勤務したとすると、700万円÷38で1年にしておよそ18万4000円の差です。 ■地方公務員の学歴別生涯年収 次に地方公務員の生涯年収を計算します。 地方公務員は、総務省の「令和4年地方公務員給与実態調査」から、全地方公共団体の一般行政職の生涯年収を確認しましょう。年齢階層別の平均年間給与を基に生涯年収を計算したものです。なお、ボーナスや退職金は含まない金額となっています。 表2
※総務省「令和4年地方公務員給与実態調査」を基に筆者作成 大学卒業と短期大学卒業とでは1000万円程度の差があるものの、大学卒業と高校卒業とではその差は200万円ほどです。大学卒業の人が38年勤務したとすると、200万円÷38で1年にして5万2000円ほどの差であり、極端な違いはありません。 高校卒業者の場合、勤務年数が長くなる分ボーナスの受け取り回数も多いため、国家公務員・地方公務員ともに実際はここまで差がない、もしくは高校卒業者の方が多いことも考えられます。