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ストリッパーの新しい働き方、リモートワーク化で「もう昔には戻れない」?

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クーリエ・ジャポン

米国でもコロナ禍の中、各地でナイトライフが規制・閉鎖され、ストリップ業界も大打撃を受けた。 収入源を失ったクラブやダンサーたちが苦肉の策としてショーをインターネットで配信する「バーチャル・ストリップ」を始めたが、中には「ハラスメント対策が容易」、「観客と対話できる」など、従来の対面式のパフォーマンスではありえなかった利点を発見し、長期続行を予定する“成功事例”も出てきている。

チップは送金アプリで

新型コロナウイルスの大流行が全米を襲った今春、ストリップ・クラブや出演者は、あらゆる生き残り作戦を展開する必要に迫られた。 ポートランドではストリッパーたちが出前をするサービスが、ニューヨークの会員制ストリップクラブではVRシステムを利用したラップダンスが始まった、などの事例が各種メディアで紹介された。 「バーチャル・ストリップ」は隆盛で、米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、インスタグラムを通じて配信されるストリップ・ショーについて報じ「デジタル化はダンサーにとって好都合か」と見出しをつけ、「クラブだったら、8時間拘束されるが、インスタグラムのライブだと、5分だけ」とする出演者の声を紹介。ロサンゼルスの娯楽情報などを扱う「LAウイークリー」も、「パンデミック中に女性が立ち上げたバーチャル・キャバレーやストリップ・ショーがヒートアップ」と題し、複数のショーを取り上げた。 こうした一連の試みの中で、成功事例と言えるのが、3月に閉まったロサンゼルスの有名クラブ「ジャンボズ・クラウン・ルーム」の所属ダンサーが中心となって立ち上げた企画「サイバー・クラウン・ガールズ」だろう。 「サイバー・クラウン・ガールズ」のショーは最近、米紙「ロサンゼルス・タイムス」のコンサートや展覧会情報などを掲載するコーナーで取り上げられた。

デジタル化、対話の機会に

ショーは、5月から4ヵ月間で40回行われ、毎回100人程度の観客に楽しまれてきた。Zoomを通じて週に2回、約3時間配信されており、“入場料”は5-25ドル。加えて個人間送金サービスアプリの「Venmo」や「Cash App」を使ってチップの支払いが推奨されている。 前述の記事では、こうした公演情報と併せて、複数のストリッパーたちが本名で登場し、デジタル化の利点を語っている。そこからは従来の職場環境の問題点も透けて見える。 元々働いていた場所の労働環境はそうではなかった、と出演者は強調しているが、中には女性を搾取するクラブも存在する。だが、デジタルのショーは、ストリッパーたちの主体性やエンパワーメントを獲得する機会につながっているという。 パフォーマーの1人で、カリフォルニア芸術大学で修士号を取得したレーガンは (本名・メーガン・リッピー)は「一般的にストリッパーは、非常にクリエイティブな人々が多い」と話す。「私たちはクリエイティブディレクターであり、アートディレクターであり、撮影監督、照明デザイナー、セットデザイナーでもある」だが、ナイトライフが消えてしまえば「こうした創造的エネルギーは行き場所がない。メンタル・ヘルスのためにも必要なこと」という。 「サイバー・クラウン・ガールズ」は、自然保護団体の「シエラクラブ」や性教育などに力を入れる「全米家族計画連盟(PPFA)」、黒人トランスジェンダーを保護する「マーシャ・P・ジョンソン研究所」などの団体に1万2千ドル以上を寄付してきた。 パフォーマーのココ・オノ(本名・カイラ・タンゲ)は「観客の前でパフォーマンスしていた時、ダンサーの経歴や、何に対して闘っているかに関して説明してくれるホストはいなかった」と言う。「私たちはただの身体だった」 騒々しいクラブでは、ダンサーは自身の経験や問題について話す機会がなかった。だが、オンラインでは演目の合間に、感じていることや、寄付先を選んだ理由について、観客と直接対話できるのだ。

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