南野拓実“盤石の型”で鮮烈左足ゴール!サウサンプトン移籍後初試合での「結果と課題」
【イングリッシュ・プレミアリーグ ニューカッスルvsサウサンプトン 2021年2月6日(日本時間24:00キックオフ)】 【動画】南野が鮮やかなゴールを決めたニューカッスル対サウサンプトン リバプールからサウサンプトンへレンタル移籍をした南野拓実が先発フル出場し、1ゴールを記録。 しかし、前の試合でマンチェスター・ユナイテッドに9失点を喫したチームはまたしても守備の脆さを見せてしまい敗れた。 南野らしさの詰まったゴールだった。30分、左サイドバックのライアン・バートランドがボールを持つと、中央から攻め上がっていた南野にパス。南野は右足でのファーストタッチで一気にペナルティエリアに進入し、左足での豪快なシュートでニアサイドを射抜いた。 このゴールシーンでは、南野は相手ゴールから2番目にいる選手として中央からプレーを開始した。フォーメーション上は4-4-2の左サイドハーフとして出場した南野だったが、攻撃時には左サイドバックのバートランドがサイドハーフの役割を担って高い位置を取ることで、インサイドハーフやシャドーのようにプレーすることができた。 相手にとって浮いた存在になっていた南野は、センターフォワードのチェ・アダムスが自身の左側から斜めにボックス内に移動することによってスペースができることを察すると、バートランドに両手でアピール。アダムスとスイッチするように動いてボールを引き出すと、足下に収めるのではなくそのまま一気に縦に進んだ。 ライン間で動き出し、ワンタッチで前のスペースに突入するそのプレーは、セレッソ大阪からザルツブルク、そしてザルツブルクからリバプールへとステップアップを果たす際に売りとなっていた南野の十八番だ。 そのまま左足を振り抜き、見事にいきなり結果を出してみせた南野。良さを活かせる起用法に結果で応えたことで、次戦からの居場所も確保されただろう。
リバプールで起用されなくなったのは、1試合を通して相手が思いきり引いて守ってくることが増えたからだ。スペースがない場面では活きない、という評価は、早い展開の中でスペースを突くことと作ることがストロングポイントである南野にとって当然のものではある。 この試合でも、76分にニューカッスルが9人になり引いて1点を守りきることを選択すると、南野はゴールから離れた場所でプレーするようになった。ゴールを奪っただけでなく、49分には中盤からのドリブルで相手を1人退場させたにもかかわらず、だ。 11人対9人という数的優位な状況で1点を追いかけるこの状況で、この試合の中で相手の脅威になっていることを証明してきた南野に、ボランチのようにボールを繋ぐ役割が与えられた。 パワープレー要員でないことは当然だろう。南野をパワープレーで最前線に送る監督は世界中のどこにもいないだろう。プレミアリーグでパワープレーに参加することができる選手になれるかどうか、は課題ではない。それが南野の役割でないことは明らかだ。 課題は、相手に引かれたら脅威になれない選手、というイメージを変えることだ。 引かれた相手にも脅威になる存在であることを示し、そのイメージを変えなければリバプールに帰還を果たせない。サウサンプトンのラルフ・ハーゼンヒュットル監督は南野を高く評価しているが、2人多い状況で、アディショナルタイムを含めてまだ約20分もあるのにパワープレーを選んだ。 その選択はサウサンプトンというチームに限らず、イングランドであれば普通のことだ。例外はペップ・グアルディオラ監督のマンチェスター・シティとトーマス・トゥヘル監督のチェルシーくらいだろう。