NISA利用者「年収500万円未満が約7割」貯蓄も1000万円未満が過半数
投資の話題になるとき、よく出る意見として「投資に回すお金がない」があります。 値上げが相次ぐ中、「まずは生活、まずは貯蓄」というのは大切な考え方。 【グラフ】NISAを利用する人の年収と貯蓄はいくら?日本の「年収100万円以下~2500万円超」の割合も確認(出典:国税庁など) 一方で、少子高齢化の今、将来の年金や老後資金に向けて対策の必要性が増しているのもたしかなことです。 老後資金は大きな金額になるケースが多いと考えられるからこそ、早いうちからの備えが重要です。 老後準備の一つとして注目されているのが、運用益が非課税になる「NISA制度」。 今回はこのNISA制度に視点をあて、どれくらいの年収や貯蓄を持っている人が実際に行っているのかを見ていきましょう。
NISA利用者「年収500万円未満が約7割」
日本証券業協会が2022年7月20日に公表した「中間層の資産所得拡大に向けて ~資産所得倍増プランへの提言~」によれば、NISA制度を利用する人のうち、個人の所得は以下の通り。 NISAの個人所得区分別利用状況 ・300万円未満:46.6% ・300万円以上500万円未満:27.0% ・500万円以上700万円未満:14.5% ・700万円以上1000万円未満:8.2% ・1000万円以上:3.8% 最も多いのは「年収300万円未満」で約半数。年収500万円未満で7割をも占めます。
NISA利用者の年収500万円未満が多いワケとは
余裕がなければできない印象の投資ですが、先ほどの結果をみえると余裕があるとは言い切れなくてもNISA制度を利用している方はいると考えられるでしょう。 とはいえ、国税庁によれば、日本の平均年収は433万円。 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」より、年収100万円以下~2500万円超の割合を確認しましょう。 日本で年収500万円以下は69.7%です。 7割は超えないまでも同水準のため、年収にかかわらず運用をする方も多いと思われます。 また、先ほどの日本証券業協会の資料によれば、一般NISAとつみたてNISAの口座数の年代別内訳は以下の通り。 一般NISAは比較的幅広い年代で利用されている一方で、つみたてNISAは20~40代で約7割を占めます。 つみたてNISAの利用者は若年層が多く、まだ年収が上がりきる前の方が多いことも関係していると考えられるでしょう。