溝の深いボコボコした腹筋 重量重視のトレーニングでバルクアップに成功!着実に順位を上げて身長別の日本大会3位
己の肉体美を競うボディコンテストにおいて、大きな大会へのデビューと同時に優勝を飾るようなタイプの選手にスポットライトは当てられがちだ。しかし、毎年着実に順位を上げるタイプの選手もいることを忘れてはならない。愛媛県在住の山本晴也(やまもと・せいや/25)選手は後者のタイプだ。2021年にマッスルゲートでフィジーク競技デビューし、一歩ずつ順位を上げてきた。 【写真】山本晴也選手の溝の深い背中&腹筋
9月29日(日)、岡山県にて『JBBFオールジャパン フィットネス チャンピオンシップス2024』(以下オールジャパン)が開催された。今年、山本選手はメンズフィジーク176cm以下級で3位となり、メダルを獲得。昨年の6位入賞から一気に飛躍した結果に、本人は満足げな表情を浮かべながらこう話してくれた。 「今年目指していたのは、予選審査でファーストコールに呼ばれること。去年はファーストコールの後に追加で僕が呼ばれて、さらにセカンドコールでも呼ばれて。予選審査から決勝審査で順位が落ちてしまって6位という結果だったんです。今年はファーストコールで呼ばれて、順位を落とさないように進んでいくことを目標にしていました」 予選審査で上位と思われる選手はファーストコールで呼ばれ、メダル圏内の指標にもなる。本人は「本当にギリギリですが」と笑っていたが、自分で立てた目標を達成した有言実行の男である。 強みは腹筋、そして課題だったのは「肩と胸」という山本選手。課題が明確であるがゆえに、オフ期では弱点部位に筋肉をつけていけばいい、と迷うことはなかったそうだ。増量期間は「重量を追い求めてがむしゃらにトレーニングに励んだ」と話す。基本に忠実なタイプだそうで、デッドリフトやスクワット、ベンチプレスなどの王道の多関節種目をバーベルやダンベルを使ってしっかりと追い込んでいった。
昨年の仕上がり体重は60kgだったが、今年は63kg。順位と同様、着実に身体も成長しているが、「まだまだサイズが足りない」と、効かせることより重量を重視したフリーウェイトの種目を中心に、来年に向けてさらなるバルクアップを試みる。 普段は愛媛県内に展開する「P・SPO24」のトレーナーとして在籍し、自身のトレーニングは必ず業務前に終わらせるという山本選手。疲労がない状態で臨むことが大切だそうで、オフもしっかり週に2日とっているそうだ。 25歳の若きフィジーク選手は、来年どんな姿を我々に見せてくれるのだろうか。 【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:小笠拡子 撮影:中島康介