J2降格が決定。OB・福西崇史が振り返るジュビロ磐田の今シーズン「ジャーメインの離脱を補えなかったのが大きい」
不動のボランチとしてジュビロ磐田の黄金期を支え、2006年開催のドイツワールドカップには、日本代表の中心メンバーとして出場。日本サッカーが世界水準へと飛躍していく瞬間をピッチの中央から見つめていた福西崇史。 そんな福西崇史が、サッカーを徹底的に深掘りする連載『フカボリ・シンドローム』。サッカーはプレーを深掘りすればするほど観戦が楽しくなる! 第116回のテーマはジュビロ磐田のシーズンレビュー前編。今シーズンを18位で終え、来季のJ2降格が決まった磐田をOBの福西崇史が振り返る。 * * * ■安定したチームを作るのに時間がかかった ――今シーズンのJリーグも幕を閉じまして、残念ながらジュビロ磐田は18位でJ2に降格となりました。まずは率直にこの結果について、どう感じられていますか? 福西 磐田が降格したのはほんとに残念に思います。エスパルスとJ1でのダービーで静岡が盛り上がるのが見たかったです。 これから積み上げるものをしっかりチームとして持って、力をつけJ1で活躍できるチームを作っていってもらいたいです。 ――本当に厳しいシーズンとなりましたが、まずは前半戦をどう振り返りますか? 福西 結果的にですが、あまり良いスタートが切ることができませんでした。今シーズンを迎えるにあたってキャンプなどで準備してきて、それで結果が出れば上積みになりますが、そうでなければ「なにかを変えなければ」となってしまうのは仕方がないし、そういう状況に陥ってしまったと思います。 ――2・3月は5戦1勝4敗で大きく負け越してしまったわけですが、J1での戦い方を模索しながらこの序盤で思うように結果が出なかった影響は大きかったわけですね。 福西 結果が出なかったことで、守備をどうする、攻撃をどうすると、いろんな角度からテコ入れが必要になって、安定したチームを作るまでに時間がかかってしまった印象ですね。今季はJ1を戦うために新戦力も多く、既存の戦力との融合にも影響はあったと思います。 ■エースの得点量産は明るい材料だった ――チーム作りというところでは、守備の整備にはやはり時間がかかってしまった印象です。 福西 サイドバックやセンターバックを誰にするか定まるまでに時間がかかったし、なかなか安定しない期間が続いてしまいましたね。守備ラインだけでなく、ボランチの人選も課題の一つではあったと思います。 ボランチは守備ができる選手で固めるのか、攻撃に厚みを持たせるために攻撃的な選手を置くのか。そこの選択が難しかったのかなと思います。 ――一方で攻撃に関してはジャーメイン良選手が序盤に得点を量産しました。 福西 それは非常に明るい材料だったと思います。開幕から12試合で11得点というのは本当に驚異的なペースでした。 ――ただ、第12節・東京ヴェルディ戦で負傷し、そこから約1ヶ月の離脱となってしまいました。 福西 これは当然ですが、本当に痛かったですね。離脱している間の5試合で1勝1分3敗と負け越して、負けた3試合は無得点ですから影響は小さくなかったと思います。