米倉涼子の“先回りしない”人生論 「私、挑戦をやめられないので」/有働由美子(聞き手)――文藝春秋特選記事【全文公開】
「文藝春秋」1月号(12月10日発売)から「有働由美子のマイフェアパーソン 米倉涼子『私、挑戦をやめられないので』」を公開します。 ◆ ◆ ◆ 有働 ご無沙汰しています。ずっとお会いしたかったので、オンラインではありますが、お目にかかれてうれしいです。4月に個人事務所を立ち上げて新しい道を歩み始めた米倉さんですが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大という大変な時期と重なってしまいましたよね。 米倉 そうなんですよ。ちょうど新しいオフィスを整えていた時期だったので、内装などの工事も5月頃までストップしてしまって。その頃は私も仕事がなくて家にこもりきりでした。外食もできなくなったので、信頼できる友人たちと少人数で家で食事とかをしていましたね。 有働 コロナで自粛生活が続くことで、塞ぎこむ人と休めて良かったと思う人がいると思いますが、米倉さんはどちらのタイプでしたか? 米倉 後者ですね。お休みするのは好きな方なので。ただ、休みが続くと顔の方も休んじゃうんですけどね(笑)。 有働 へー、表に出られる方って、そういうものなんですね。 米倉 あとは時間がたっぷりあったので、ベランダでパプリカを自家栽培したりしていました。 有働 パプリカってあの赤や黄色のパプリカ? 米倉 そうそう。他にもオリーブの木を増やしたり、紫色の花をたくさん植えたり、殺風景なベランダが一気に賑やかになりました。 有働 イメージで人を見ちゃいけないのはわかっているのですが、米倉さんがパプリカを育てているって、かなり意外です(笑)。 米倉 ですよね。毎朝水やりをしながら植物の成長具合を観察していると、どんどん愛おしくなってくるんです。自粛期間がなかったらこんなことやらなかったと思うので、自分でも面白いなと思っています。
本文:9,102文字
有働 由美子,米倉 涼子/文藝春秋 2021年1月号