1人暮らしの大学生の仕送り額は、毎月どのくらい? コロナの影響はある?
1人暮らしの大学生への仕送り、いくらくらいが適切か悩む人も多いのではないでしょうか。最近は新型コロナの影響もあり、飲食店やイベントなどのアルバイトの機会が減るなど大学生の収入事情にも変化が見られるようです。平均的な仕送り額や近年の動向をチェックしてみましょう。
1人暮らしの大学生への仕送り、平均額はいくら?
日本政策金融公庫は、高校生以上の子を持つ保護者を対象に、2020年9月に教育費負担に関する調査を行っています。それによれば、自宅を離れて1人暮らしをする学生への仕送りは、平均で年間90.3万円(月額7.5万円ほど)でした。 もう1つ、別の調査も見てみましょう。日本学生支援機構が大学生を対象に2020年11月に行った調査では、以下のような結果になっています。
(出典:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)」より筆者作成) 例えば「国立×学生寮利用」なら65万9800円(月額5.5万円ほど)ですが、「私立×アパート」なら163万7100円(月額13.6万円ほど)となっています。国公立よりも私立、学生寮よりも下宿やアパートのほうが、費用がかさみやすいぶん仕送り額が多くなる傾向が見られます。
大学生の収入事情と新型コロナの影響
先述のどちらの調査でも、前回調査(日本政策金融公庫は2019年9月、日本学生支援機構は2018年11月に実施)に比べて仕送り額が少なくなっている傾向が見られました。 日本政策金融公庫の調査では、自宅外通学者への仕送り額の平均が月額1万円ほど下がり、「仕送りなし」の世帯が増えて10%を超えるなどの変化がありました。また、新型コロナの影響で「そもそも1人暮らしをするのをあきらめた」「進学をあきらめた」「退学・休学した」と答える人も見られました。 日本学生支援機構の調査では、仕送り額だけではなく学生自身のアルバイト代にも減少傾向が見られ、代わりに1人あたりの奨学金の利用額が増えていることがわかります。 仕送りの減少や奨学金の増加は、すべてが新型コロナの影響によるものとは限りません。ただ、親の収入が減ったり、アルバイトのシフトに思うように入れなかったりして、金銭的に困る学生も増えたようです。2020年は学生を取り巻くお金事情がひときわ厳しくなった年だといえるでしょう。