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仏教伝来テーマに新庭園 建仁寺塔頭・霊源院「禅の教え 多くの人に」

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産経新聞

 京都最古の禅寺・建仁寺の塔頭(たっちゅう)、霊源院(れいげんいん)(京都市東山区)で仏教の伝来をテーマにした新しい庭園が完成、公開されている。設計を手がけたのは「昭和の小堀遠州」と称された作庭家、中根金作氏の2人の孫。庭は詩経の一節から「鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)」と名付けられ、霊源院の雲林院宗碩(そうせき)住職(44)は「新型コロナウイルスで大変な時期だが、この庭を通して多くの人に禅の教えを伝えたい」と話す。  新しい庭は、インドから中国、日本へと仏教が伝来する様子を本堂をL字型に取り囲むように設計された。  仏教発祥の地であるインドのゾーンには、釈迦誕生の折、天の龍が雨を降らせたという言い伝えのある甘茶の木約450本に、釈迦が悟りを開いたとされるブッダガヤから運ばれた赤茶色の座禅石を配した。中国のゾーンは達磨(だるま)大師が禅を伝えたとされる嵩山(すうざん)をイメージした約3トンの2つの巨石を配置。日本ゾーンには、鶴亀や蓬莱山など日本特有の庭を表現した。さらに、仏教伝来の経路を表すように全域に大海原に見立てた白砂を敷き詰めた。  この庭を完成させたのは中根庭園研究所(右京区)の中根行宏(ゆきひろ)さん(41)と直紀さん(38)の兄弟。2人は、大徳寺塔頭、大仙院の書院中庭(北区)や足立美術館庭園(島根県安来市)などを設計した中根金作(1917~1995)の孫にあたる。  2人が今年2月、最初に取り組んだのが中国ゾーンの2つの巨石の配置だ。クレーンを使ってわずか数センチの上げ下げを繰り返し、角度や向きを調整しながら配置した。行宏さんは「一度配置したら二度と動かせず、庭の出来を左右する重要な作業だった」と振り返る。  昨年5月の構想開始から1年がかりで完成したこの庭は臨済宗建仁寺派の小堀泰巖(たいげん)管長(77)によって、山奥で鳴く鶴の声が天まで届くように聖者(釈迦)の声は世界に広まるという意味の「鶴鳴九皐」と名付けられた。「大変光栄で、身の引き締まる思い。由緒ある寺なので、庭の記憶を留めることも心がけた」と行宏さんは話す。  庭園の公開は7月31日までの午前10時~午後4時(午後3時半受け付け終了)。現在は甘茶の花が見頃という。一般500円、中高生300円、小学生以下無料。

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