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寂聴が若者たちにおくるエール「コロナはあの戦争と匹敵するくらい、大きな変わり目になる」

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本がすき。

新型コロナの感染者数は、連日1000人を超したまま増え続けている。 コロナ禍をいかにやり過ごすかと世界中が苦悩する中、奔放にして、自身に忠実に生き続けた、作家であり宗教家でもある瀬戸内寂聴さんと、そんな先生をサポートする、秘書であり一児の母でもある瀬尾まなほさんによる緊急法話『寂聴先生、コロナ時代の「私たちの生き方」教えてください!』(光文社刊)が出版された。 このコロナ禍のことを98歳にして初めて迎えた“地獄”という先生は、果たしてどれほどの衝撃を感じたのだろうか。 連日TVでは増大する感染者数に一喜一憂し、それを見る国民は嘆め息を漏らす。 この、未知のウィルスに対する為政者の無為と無策に身悶える中、人は何者かの口から光ある言葉を聞きたいと切望しているのではないだろうか。 語るべき何者かとして、寂聴さんは最もふさわしい一人だと思う。 そんな先生に無心に問いかける秘書・瀬尾まなほさんとの心の距離感が絶妙だ。 決してビジネスライクではなく、ましてや宗教的でもなければ、弟子と師匠の問答でもなく、さりとて母と娘でもない、互いを大切に思う2人が慈しみをもって語り合う様子が本書の中に溢れている。極めて柔らかなタッチで琴線に触れてくる一冊だ。 「100年近く生きてきて、初めて出逢った目に見えない敵。あの酷い戦争と匹敵するくらい、大きな変わり目になる―――――」 とは、本書の冒頭に掲げられた先生の言葉。 齢100を迎えようとする先生が見つめるWITHコロナの時代とは、果たしてどのような社会なのだろうか? そしてその社会では、私たちは、そして子どもたちはいったいどのように生きればいいのだろうか? 「いつだって17時にはあなたたちスタッフはみんな帰ってしまう。それからは、夜中もずっとひとり。その時間がとてもいい。 ひとりでいることはとても心が落ち着く。寂しくなんかない」 と「ひとり」を礼賛する。そこに「お一人様ストレス」などの懸念は無用なのだとエールを送られた気がする。そして、 「だいたいみんな大丈夫なんですよ。」 と、いかにも先生らしい慰め方をしてくださる。

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