<若葉竜也>役者としての“違和感”と“怖さ” 「面白いと思ったことは一回もない」
俳優のムロツヨシさん主演で6月24日に公開された映画「神は見返りを求める」(吉田恵輔監督)に主人公の会社の後輩・梅川葉役で出演する若葉竜也さん。欲や憎悪をむき出しにした人間の姿が描かれる同作で、対立する者同士の憎悪をあおる軽薄な梅川役を好演している。大衆演劇の一家に生まれ、長いキャリアを持ちながら「役者をやっていることに常に違和感を感じている」という若葉さんに、俳優業への思いや梅川役について聞いた。 【写真特集】劇中とはまるで別人!? 若葉竜也のブラックコーデ 撮り下ろしカット一挙公開!!
◇役作りはしたことがない
映画は「ヒメアノ~ル」「愛しのアイリーン」「空白」などの吉田監督の最新作。イベント会社に勤める田母神(ムロさん)は合コンで底辺YouTuber・ゆりちゃん(岸井ゆきのさん)に出会う。田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫(ふびん)に思い、まるで「神」かのように見返りを求めず、彼女を手伝うようになる。2人は人気がでないながらも力を合わせて頑張り、お互い良きパートナーになっていくが、あることから2人の関係が豹変(ひょうへん)する……というストーリー。
若葉さんが演じる梅川は、田母神と同じイベント会社に勤める後輩。田母神、ゆりちゃんとも多く行動を共にするが、軽薄で、その場にいない人間に憎悪の矛先が向くような発言をする……というクセのある人物だ。そんな梅川について「本当に僕の嫌いなタイプ」と苦笑いする若葉さん。「悪意がないのが怖い、というか……うそをついたり、その人が言っていないことを言うのも、自分の頭の中で編集したことがアウトプットされているだけで、彼自身はいたって純粋な気がするんですよね」と語る。
そんな梅川を、若葉さんはどう演じようと考えたのか。
「本当にやばい人って、全然そう思っていないのに、異性関係なら相手の目を見て『俺は本当に好きだと思ってる』とか、友達に金を借りるときに『絶対返すから貸して』とピュアに言える人だと思っているんです。だからそれをやろうと思いました」と明かし、「悪意がなくピュアにその言葉を発している方が怖いと思ったので、あまり考えこむよりはピュアにせりふを言おう、と考えていました」