【日本株週間展望】軟調、為替の円高や貿易問題を懸念-米景気にらみ
(ブルームバーグ): 12月1週(2-6日)の日本株は軟調となる見込み。積極的な買い材料が乏しい中、米国の重要経済指標を控えて為替市場の動向を見極める雰囲気が強まりそうだ。トランプ米次期政権の貿易政策に対する懸念も上値を抑える。
為替市場では米金融当局による利下げ期待と日本銀行の根強い利上げ観測が重なり、日米金利差の縮小観測から一時1ドル=149円台まで円高・ドル安が進んだ。米経済指標が市場予想に比べて低調となれば、米金利が低下し円高圧力が一段と強まりかねず、株式市場では投資家の慎重姿勢が続きやすい。
米国では2日に11月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、4日にISM非製造業景況指数、6日に11月の雇用統計が発表される。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想によると、雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比20万人増と、10月の1万2000人増を大きく上回る見込みだ。
トランプ次期米大統領は25日、中国などに追加関税を課す方針を表明した。来年1月の就任が近づく中で今後も貿易問題が突然浮上するリスクがあり、海外景気敏感業種には手掛けづらさが意識されやすい。このため、金融などの内需関連銘柄が株価指数を下支えできるかどうかが日本株相場全体の下値抵抗力を試すことになりそうだ。
国内では2日に7-9月の法人企業統計、6日に10月の毎月勤労統計が発表される。11月4週の東証株価指数(TOPIX)は週間で0.6%安と3週続落した。
《市場関係者の見方》
パラソル総研の倉持靖彦副社長
もみ合いながら弱含みか。最近の米経済指標は市場予想を下回るケースが出ており、長期金利低下の要因となっている。雇用統計後の為替の反応を見極めたいため、投資家は動きづらい。米国株がスピード調整に入ってもおかしくないタイミングにあるだけに、日本株は日経平均株価がテクニカル面での節目である3万7700円付近を維持できるかが焦点だ。