なぜテレビ東京は蛭子能収さんに頼ってしまうのか、検証したPの結論は…ついに過去映像だけでドラマを制作
現在は活動をセーブしている漫画家・蛭子能収さん。しかしそんな裏でテレビ東京が、前代未聞のドラマ制作を進めていました。担当したのは、人気番組『家、ついて行ってイイですか?』などを作り出した高橋弘樹さんです。制作のため、30年分の映像を検証したという高橋さん。その結果、「テレビ東京は蛭子さんに依存しすぎ」とまで言われたその理由の一端が見えてきたそうです。 【写真】「蛭子さん殺人事件」、ナレーションは新しく収録 最近の蛭子さんの姿は……
油断すると「蛭子さんにしようか」
日本で最も著名なマンガ家は誰か。鳥山明・吾峠呼世晴・尾田栄一郎などの名もあがるだろうが、子どもからお年寄りまで、おそらく知名度で言ったら、この人が1番だろう。蛭子能収氏(通称:蛭子さん)だ。 いまでこそ活動をセーブしているが、一時期テレビで見ない週はなかった……特にテレビ東京で。 わたしはテレビ東京に入社して15年。ずっとバラエティー番組を作ってきた。そこで一つ感じたことがある。「テレビ東京は蛭子さんに依存しすぎ」ということだ。いくら何でも出し過ぎだ、と思う時期が長くあった。会議でも油断すると「蛭子さんにしようか」という空気にすぐなる。自分も例外ではなかった。 例えば、いまでこそガチで一般人の家についていく番組として定着した『家、ついて行ってイイですか?』だが、立ち上げたのときは、「本当に一般の方が家を見せてくれるか」。つまり、「撮れ高」が不安だった。 そこで、トライアル特番のころは、「蛭子さんが深夜の街を徘徊する」というだけのコーナーがあった。マツコ・デラックスさんが夜の巷を徘徊し始める1年ほど前のことだ。
過去30年分、ひたすら蛭子さんの番組をチェック
なぜテレビ東京はすぐに蛭子さんに頼ってしまうのか。もはや「癒着」とも言えるほどだ。今回、蛭子さんが主演のドラマを作ることになり、その謎に迫ってみようと思った。過去30年分。数百の番組と向き合った。その数およそ630。 ひたすら、毎日蛭子さんの過去の番組を見続けた。頭がおかしくなりそうだった。いや、途中頭がおかしくなった。蛭子さんを見て涙すら流してしまったのだ。 いやいや、振り返れば頭がおかしくなったのではない。蛭子さんはそれほど魅力的な人物だったのだ。