田中圭/おっさんずラブ&あな番「35歳のブレイク」を語る〈このタイミングには何かしらの意味がある〉――文藝春秋特選記事【全文公開】
どうして自分は急にこんなことになったのかと、この1年くらい、よく自問自答しています。 「圭がやってきたことに、やっと皆が気づいたんだ」 事務所の人間や仕事仲間はそういう言葉をかけてくれたりして、素直に嬉しいです。それは自信に繋がったりもしています。 別にオカルト的なことを信じているわけでもないですが、このタイミングでこういう状況に置かれているというのは、運命というか、何かしらの意味があるのでしょう。 35歳という年齢で注目が集まったのは、よかったと思います。20代で今みたいな注目を受けていたら、絶対に勘違いしていただろうし。そうなったら、その後のお芝居や作品への向き合い方に影響が出ていたはずです。 今は長いあいだ俳優をやってきている分、スタンスがブレることはないですから。 これまで自分がやってきた仕事が皆に認めてもらえたのなら、これからの自分に何が出来るだろう、逆に何を求められているだろう……。一つの作品を終える度に、そういうふうに考えたりもします。
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田中 圭/文藝春秋 2020年1月号