浦和内定CB根本健太の大学サッカーは先発落ちで終幕。「本当に濃い4年間でした」。プロで生き抜くために必要だった気づき
「しっかりと自分と向き合って成長していきたい」
「大学に入って、ずっと上を見ながら這い上がって行こうとやってきたなかで、急に下から突き上げられる形になって、戸惑いは正直ありました。こういう時こそ、自分にベクトルを向けないといけないのに、なかなか向けられずに自分で勝手にストレスを溜め込んでしまったりしていた。それが良い方向に向かわなかった。そういう時こそ自分をコントロールできるような選手でないと、一流にはなれないなと思いました」 根本は今、苦しい時間を過ごしているが、この話を聞いて、この先のプロサッカー人生、ひいては彼の人生において、とても重要でポジティブな時間を過ごしていると感じた。自分が下だと感じている時は、強烈な向上心があれば人間はひたすら努力ができる。努力すればするほど成果は出て、それが自信に繋がってくるが、いざレギュラーやプロ入りを勝ち取って、チーム内で追われる立場になると、根本のように戸惑い、苦しむ選手はいる。 だが、そこで時には痛い思いを味わいながら、自分で「このままではダメだ」と気づいて、自分と向き合うことから逃げずにいれば、この先にさらなる大きな成長を掴み取る重要なパワーを生み出す。 「人生はうまくいくことばかりではないなと感じましたし、そういう自分がうまくいかない時こそ、どう自分を鼓舞して良い方向に持っていって、プラス、チームにどう影響を与えて良い方向に持っていくのか。それがどれだけ大事かが分かりましたし、自分には決定的に足りなかった。 この気づきは本当に重要で、今からしっかりと自分と向き合って成長していきたい。そういう意味では、この大学4年間は本当に濃い4年間でした。来年活躍するために今できることを精一杯やりたい」 この苦境はさらに高く飛ぶためのエネルギーを養う時間。そう受け止めることができた根本の表情は決して暗くはなかった。人生において重要な時間だったと振り返れることを心から願っている。それは間違いなく、流通経済大のスタッフの人たちの願いであり、根本へのエールでもあるだろう。 取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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