一戦ごとに調子を上げながら、昌平が2年連続でのベスト8を決めた
1月3日に浦和駒場スタジアムで行なわれた第99回全国高校サッカー選手県3回戦第1試合、昌平(埼玉)と創成館(長崎)の一戦は、昌平が前半で3点を奪い快勝。優勝候補が後半に追いすがろうとする新鋭を退けることに成功した。 【日程結果】第99回全国高校サッカー選手権 優勝候補の昌平に対して、「前半は思ったような展開にならず、引いてしまった(久留貴昭監督)」という創成館はボールをつなげずに守勢でスタート。それでも、4-4のラインを整えたブロックは手堅く、昌平の小澤亮太や本間温士を使ったサイド攻撃、須藤直輝をスキルをいかした突破に対しても、ゴール前中央をしっかり固めて弾き返していく。 守る創成館にリズムを合わせてしまい、良い形でのシュートが少なかった昌平だが、それでも徐々にこじ開けていくのが優勝候補。17分に右サイドでボールを受けた荒井悠汰が、カットインで創成館の豊本照仁を引き剥がしてからのシュートで先制ゴール。その後も丁寧な守備を継続する創成館を攻めたてると、39分にも創成館ゴール前でボールを奪ってからの展開で須藤が2点目を奪取。前半終了間際にもコーナーキックのクリアボールから、小川優介がミドルシュートを突き刺して、前半だけで昌平が3点をリードして前半を終了する。 劣勢に立たされた創成館は、引き気味で戦った前半から一転して、前目に重心を掛けて得点を意識。「リスクを抱えても前にいこう」とハーフタイムに話したというエース岩崎雄永が前に入るシーンも増え、ボールを持って昌平ゴールへ迫る時間を増やしていく。対する昌平は「後半、相手の勢いがついてきて、自分たちのサッカーができなかった(昌平 須藤)」という状態に陥ったものの、ここで生島翼、唐木晃ら守備陣が奮起。攻撃の手を緩めない創成館に対して、落ち着いたプレーで対応し、要所では体を張って創成館の攻撃を潰していく。 攻める創成館、守りながらも速攻を狙う昌平がせめぎあう試合終盤。後半74分にはサイド攻撃から創成館がチャンスを作るも、逆サイドから飛び込んだ一瀬凛の足が一歩届かず、77分、昌平も佐藤海空斗が強烈なシュートを放っていくがボールはゴールの枠をそれこちらもノーゴール。その後も互いにオープンな展開の中で攻め合う中、終了間際には創成館が猛攻を見せたものの、最後まで失点を許さない昌平が3-0で試合を終了。 「前半はうまくいかないながらも、しっかりとゴールを奪えたのが良かったが、創成館のフィジカルの強さ、局面の粘り強さでうまくいかないところがあった。また修正していきたい(藤嶋崇監督)」という昌平が、一戦ごとに調子を上げながら、2年連続でのベスト8を決めた。 (文=藤原裕久)