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【難病・魚鱗癬】「前向いて私!」皮膚呼吸ができない息子、ワセリンに汚れる肌着、後ろ向きかけた瞬間

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 難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』の著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。  今回は魚鱗癬の息子との「暮らし」、病を思いやる愛情、疲労もたまりついていかない若き母の気持ち。それでも「前へ」と立ち向かう母の思いを綴ります。 【難病・魚鱗癬】「前向いて私!」皮膚呼吸ができない息子、ワセリンに汚れる肌着、後ろ向きかけた瞬間 ■数分のうなだれた時間 面会に行くと、陽(息子)は持参した服を着ていた。 ・・・・・可愛い。 毛穴がなく、発汗による体温調節ができず、体温がこもりやすいため、 まだまだ肌着しか纏(まと)うことができないけれど、 初めての色味のある服、それは黄色く少し色褪せた、くまのプーさんの肌着。 ふとベッドの端に目をやると、ビニール袋が置いてあり、中を覗くと、既に着終わった服が2着入っていた。 持って帰ろうと手に取ると、驚くほどズッシリと重い。 全身にたっぷりとワセリンを、1日に何度も何度も塗るため、服にワセリンが染み込んで、ベタベタでズッシリとしていた。 そして独特な匂いがした。 そこへ看護師さんが来て、 「しばらく熱湯に浸けておくと、お薬とれると思いますよ」 とアドバイスを頂き、 病院から帰ると、早速、蓋付きバケツに服と熱湯を入れ、 半日ほど経ってから、何度もお湯でもみ洗いをしてから、洗濯機に入れた。 …………甘かった。ワセリンの油を軽く見すぎていた。 もみ洗いをした洗面器と、洗濯機の中が、白くギトギトになっていた。 そんな洗濯機の様子を見て立ち尽くし、なにもかも、やる気が無くなっていくのを感じた。 さらに、洗濯の終わった服はどれだけ乾かしても、ベトベトでしっとりしていた。 もぉ嫌や。 洗濯すら普通にさせてくれへんの? なんでこんな思いばっかり・・・。 この時は、ちょっとしたことで頑張ろうと思えたり、些細なことで幸せや喜びを感じていたのと同時に、ほんのちょっとのことでも、すぐにマイナスに転ぶことも出来た。 私の考え方や、洗濯の仕方が甘かっただけなのに、もともとO型特有の面倒くさがり、楽したい主義の私には、とてつもなく洗濯が負担と感じた。 普通なら、別にこんなことくらい、って思うようなことで、意気消沈していた。 何分か洗濯機の前で、うなだれた時間を過ごし、少しずつ倒れきった心を叩き起こした。 こんなことでウジウジしてたら、この先やっていけない。 陽にシットリした服を、着せるわけにはいかない。 何か良い方法があるはず! そう思い直し、しばらく携帯とにらめっこして、ひたすら洗濯方法を検索した。 そして何度も洗濯を繰り返して、良い方法を研究する日々が始まった。

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