流れ呼び込む継投 聖光学院、競り勝つ 秋季高校野球福島県大会 決勝(9月29日)
▽決勝 聖光学院2-1東日大昌平(延長10回タイブレーク) 聖光学院が延長十回タイブレークの末、東日大昌平にサヨナラ勝ちした。聖光学院は五回、竹内の右前適時打で先制。十回2死満塁、管野が押し出し四球を選び、試合を決めた。東日大昌平は九回2死二塁、金沢の右中間三塁打で追い付いたが及ばなかった。 聖光学院はロースコアの接戦を延長十回タイブレークの末に制し、4連覇を果たした。4戦連続で2桁得点の強力打線が6安打2得点に封じられる苦しい展開となったが、3投手の継投で粘り勝ちした。斎藤智也監督は「ピンチになったら管野(蓮)という一つの形ができた。1点は取られたが、満点の投球」と奮闘をたたえた。 1点リードの六回途中から管野が3番手でマウンドに上がった。六~八回は無得点に封じたが、九回2死2ストライクと追い込みながら真ん中に入った直球を同点三塁打とされた。気持ちが切れそうになったが、仲間に「次の回に俺らが決めてやるから自信を持って投げ込んでこい」と励まされて奮起。続く2死三塁の窮地と延長十回タイブレークをしのいだ。
その裏、仲間が2死満塁の好機をつくり、管野がフルカウントから押し出し四球をもぎ取った。サヨナラ勝ちを収め、歓喜の輪ができた。 「層の厚さは近年で随一」という指揮官の言葉の通り、ベンチ入り20人全員が出場し、県大会を勝ち抜いた。全員野球で秋の東北大会では7年ぶりの頂点を狙う。 ■9回土壇場で粘り 東日大昌平 7番金沢同点三塁打 東日大昌平は4年ぶりの優勝を逃したが、九回の土壇場で追い付く粘りを見せた。同点の適時三塁打を放った7番の金沢匠良(たくよし)は「コンパクトにバットを振り抜けた。良い試合だったからこそ勝ちたかった」と悔しさをにじませた。 九回2死二塁、「絶対に打たなければ」と力んだまま打席に入った。普段より大振りとなり、2ストライクと追い込まれた。江井康胤監督の「いつも通りコンパクトに振れ」という伝令で冷静になり、外角の直球を右中間に運び試合を振り出しに戻した。 長谷川極、照沼佑崇、宗田悠冶の継投で八回途中まで1失点と試合をつくった。八回2死満塁のピンチに前日の準決勝で102球を投げた伊奈蓮樹が登板。窮地をしのいだ後、九回も無得点に抑えたが延長十回タイブレークで力尽きた。
センバツを懸けた東北大会は地元のいわき市をメイン会場に開催する。金沢は「(東北大会は)強豪ぞろいだが決勝のように粘り強く戦いたい」と前を向いた。